配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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研究概要 |
情報セキュリティに関する社会的関心が非常に高まっている今日,暗号技術とは異なる情報セキュリティ技術として情報秘匿技術が関心を集めている.情報秘匿技術は,画像,ビデオ,音楽データ等のメディアデータ中に,第三者に知られたくない重要な情報を隠す技術であり,ステガノグラフィ技術と電子透かし技術に二分される.ステガノグラフィ技術では,メディアデータは秘密情報を埋め込むための容器(ダミーデータ)として用いられ,ダミーデータ中に大量の秘密情報が隠されていても,そのことを第三者に気付かれないことが必要である.本研究では,今後の普及が期待されるJPEG2000規格による圧縮データ(静止画像,ビデオ)を用いるステガノグラフィを実現し,インターネットを介した大容量秘匿通信を可能にした.具体的には,JPEG2000静止画像符号化用に公開されているJJ2000プロジェクトの実験ソフトウェアを用い,その中にBPCS(bit-plane complexity segmentation)ステガノグラフィのプログラムモジュールを組み込むことでJPEG2000-BPCSステガノグラフィを実現した.次に,Motion-JPEG2000(JPEG2000規格のPart3に示されているビデオ圧縮規格)ビデオを用いるMotion-JPEG2000-BPCSステガノグラフィを実現した.本研究によって,BPCSステガノグラフィ等のビットプレーン分解を用いたステガノグラフィ技術が,情報圧縮されたメディアデータに対して適用可能になり,ステガノグラフィの利用利便性や安全性を飛躍的に向上させることができた.特に,ビデオデータを用いるステガノグラフィによって,大量の秘密データを自然な形で送受信することが可能になった.
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