配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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研究概要 |
動的非同期な大規模搬送において,最短経路探索と同時に渋滞発生予測機能やデッドロック回避の方策を取り込み,実用的な計画が可能な高速分散型搬送経路計画技術の研究をおこなった。各搬送車での経路計画は,出発点から到達目標点までの経路長を最小にする経路の探索を行う。その際,搬送車間での干渉度合いを示すペナルティー項を経路長に加えた評価関数の最小化問題を解くことが課題である。全ての搬送車の間で非同期の情報伝達をおこない搬送経路を計画することにより計画時間の短縮を達成した。本研究ではまず,搬送地点候補(ノード)143の実規模の半導体工場を想定し,コンピュータシミュレーションにより開発した計画アルゴリズムの機能確認を行った。搬送車数を最大20台まで増加させたところ,干渉のない経路計画の立案が,従来法より短時間で作成できることを確認した。さらに,本研究では搬送遅延に対し全体計画との整合を保証できる局所的経路再計画法を開発し,大規模な経路計画問題での適用性能を確認した。また,生産の変更や搬送車の故障などの外乱が発生する搬送問題への,提案法の適用を可能とするアルゴリズムの改良をおこなった。従来法では,外乱が発生する度に再経路計画を行っていたが,開発したアルゴリズムを用いることにより,毎回再計画を行うことなく衝突や干渉を防ぐことが可能となった。 一方,実用性の観点では各搬送車の幾何学的な大きさを考慮する必要があることから,実験用移送システムを構築した。25ノードからなる搬送路上を8台の搬送車が走行する移送システムを構築し,非同期な情報交換により,各搬送車が独立して搬送経路の計画を作成する機能を実現した。搬送納期と遅延外乱への適用性についても検証し,実時間での計画機能および,衝突やすれ違いの干渉回避機能を確認した。
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