配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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研究概要 |
地盤・地下水の環境動態のモニタリング方法や飽和・不飽和浸透特性値の原位置試験方法の開発は急務である。本研究では,不飽和地盤内の浸透挙動が大きな影響を及ぼす浅層地盤での土壌・地下水汚染問題や不飽和地盤の工学的評価への貢献を背景として,シンプルでコンパクトな原位置調査・試験システムの開発を目的として実施した.当該研究期間の研究実績は以下のように要約される。 1.送・受信アンテナ(周波数400MHzおよび200MHz)を付属した地表型地中レーダ探査システムを用いて,実際の河川堤防および均質な砂丘砂地盤における電磁波伝播速度を計測し,その感度特性,測定範囲および適用土質の明確化について検討した。また,挿入型土中水分計によってリファレンス水分量を測定し,地中レーダによる不飽和地盤内の水分動態計測の精度を検証した。その結果,地表型地中レーダによる電磁波伝播速度の計測には,CMP計測が優れており,良好なCMP計測データを取得するためには,送・受信アンテナ周波数の選択,アンテナ間隔の設定,複数測線の設置などを検討し,高密度なCMPデータ取得のための計測指針の作成が必要であることを指摘した。 2.不飽和砂質土地盤における表層部近傍の現場飽和透水係数および不飽和透水係数を簡便かつ迅速に測定できる原位置透水試験方法の開発を目的として,Guelph Pressure Infiltrometer法をベースにした定水位透水試験装置に挿入型土中水分計を併用した簡易な原位置透水試験方法を提案した。本試験方法では,定水位透水試験による浸潤過程での定常浸透流量により現場飽和透水係数を算定した後,排水過程における体積含水率の非定常データを用いてInstantaneous profile methodの理論により不飽和透水係数を算定する。この際,従来計測の必要であった動水勾配の経時変化の計測を省略し,単位動水勾配の採用を提案した。本方法の妥当性は数値シミュレーションデータによって吟味し,砂質土地盤での有用性を確認した。
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