研究課題/領域番号 |
15360258
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
梅村 順 日本大学, 工学部, 講師 (70256816)
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研究分担者 |
森 芳信 日本大学, 工学部, 教授 (80059691)
桧垣 大助 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (10302019)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 氷河湖決壊洪水 / モレーンダム / 現地調査 / 化石氷体 / 弾性波探査 / 決壊危険度評価 / 氷河湖決壊洪水(GLOF) / 現地計測 / 室内実験 / 斜面安定解析 / エンドモレーン / 斜面安定 / 力学試験 / 物理試験 / 地形解析 / 河岸浸食 |
研究概要 |
GLOF被害の実態をまとめ、以下のことを明らかにした。 1)GLOFは初め、モレーンを取り込んだ土石流となり、下流数kmにわたって大量の土砂を堆積させる。 2)その後、河谷を侵食し、両岸に断続的に崩壊を生じさせながら、数十kmもの長い距離を流下する 3)GLOFが生じさせた崩壊地は20年以上経っても植生が付かず、断続的に表面が侵食され、長期にわたり荒廃した状態になる。そのため、大規模なGLOFを発生させないこと、発生した後は、植生の回復など、長期にわたる対策が必要であることを考慮すべきである。 氷河湖堰止めモレーンダムの安定性について、以下を明らかにした。 1)化石氷体の前面にはモレーンが厚く堆積し、そのカウンタウェイトと作用しているので、化石氷体は安定した状態であると判断できる。 2)モレーンダム本体の安定性には、空中写真による氷河湖周囲の状態を整理することと共に、化石氷体の融解が大きな影響を及ぼすと考えられるので、その動態観測を行う必要がある。そして、その動態予測は、決壊危険度を評価する上で重要なポイントになる。 また、モレーンダム内部の温度計測では、一年を通じて0℃以下になることがなく、化石氷床は現在、融解が進行する条件となっており、その融解予測法の確立は危険度評価のために急務であることを指摘、対策案として、以下を提案した。 a)化石氷床は規模が大きく、また、モレーンはルーズなので、発破による破壊は困難である。さらに、GLOFを発生させれば、長期にわたる流下沿川の荒廃を引き起こす。 b)化石氷床は融解沈下するもゆっくりと沈下すると予測されるが、沈下の仕方次第では、現在の湖水排出口からの排水でそこが下刻侵食されてゆっくりと沈下、湖水位が低下して安定化に至る可能性がある。化石氷体のゆっくりとした沈下を促進し、次第に湖水位を低下させることを目的とした対策工ができるかもしれない。
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