研究課題/領域番号 |
15360287
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木環境システム
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松岡 譲 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (90109033)
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研究分担者 |
藤原 健史 京都大学, 地球環境学堂, 助教授 (90229071)
河瀬 玲奈 京都大学, 地球環境学堂, 助手 (90378852)
山敷 庸亮 京都大学, 地球環境学堂, 助手 (20335201)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2003年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 地球環境 / 動的植生モデル / DGVMs / 勘定体系 / 物質収支 / RAS法 / 物質フロー / 土地利用 / 一般均衡モデル / 環境資源サービス / GTAP / フロー / アジア地域 / 食料需給モデル / ボトムアップ手法 / 水需要モデル / エネルギー需給モデル / 環境資本 / 経済モデル |
研究概要 |
本研究は、1)地球環境と植生の相互作用の把握、および2)全世界の人間活動に伴う炭素、窒素、リンの循環変化に関する基礎的研究を行った。 第一のテーマについては、植生層を2つに、土壌層を6つに分割することでPFT間の日光と土壌水分の競合を詳細に表現している動的植生モデルIBISを用いて、潜在的植生変化の動向を再現し、その出力を他のDGVMsの出力や衛星観測データから推測される植生分布と比較検討した。その結果、低緯度、中緯度地方においては比較的良好な一致が見られた一方で、高緯度地方では他よりも植物量が少なく計算された。これは観測データと比べても少ないと考えられる。また、草本植物は木本植物に対して土壌水分の獲得に有利であり、そのため日光よりも土壌水分量にその生存率が依存しているといえる。 本研究において草本植物のLAIが非常に小さく出力されたことは、土壌水分量の扱いが不適に行われた可能性があることを示唆している。第二のテーマでは、人間活動内、人間活動と自然環境間における炭素、窒素、リンのフローを記述する全世界炭素・窒素・リン物質勘定表を開発した。その勘定体系に従い、1971年から2002年における全世界を対象として、炭素、窒素、リンのフローを推計した。そのフローの推計には、物質収支調整計算やRAS法などの手法を用いた。それにより、様々な統計値、観測値と最も整合性を持つ値を推計することが可能となった。その結果の一例として、以下の3点が明らかとなった。 (i)2002年における人間活動が環境から採取してくる炭素量、窒素量、リン量は、1971年比でそれぞれ1.6倍、1.8倍、1.8倍の13、558TgC、212TgN、35.7TgPであった。今後人口増加や経済発展と共にこれらの量も増加すると考えられる。 (ii)廃棄物の発生量について見ると、炭素量では、農業廃棄物、窒素量、リン量では人糞、家畜糞尿割合が大きかった。廃棄物の利用を考えた場合、炭素量の多い農業廃棄物はエネルギー資源として、窒素量の多い家畜糞尿・人糞は肥料資源として利用することが有効であると考えられる。(iii)農地における窒素のフローについて見ると、韓国、オランダ、中国、ベルギーなどの地域で投入量が産出量を大きく超過していた。これらの地域の農地周辺の水域では窒素汚染が懸念される。投入源の内訳について見ると、各国によってその内訳は異なり、それぞれの地域に応じた対策が必要であることが示された。
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