配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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研究概要 |
軟弱地盤域での新しい免震工法として,研究分担者らが提案している「地盤免震装置」の地震解析法の確立と減衰性能向上を目指した研究を実施した。 初年度に4体の柱状地盤改良体(径600mm,長さ2.5m)により改良された地盤上に従来工法により,正方形平面(2.4m×2.4m)を有する高さ1.0mの基礎ブロック(CF)を作製し,側面部の状態をパラメータとした加振実験を実施した。次年度に,同基礎ブロックの東側61n離れた位置に前年度と同一工法により同一寸法の新設基礎ブロックを作製し,その側面部の状況を変化させた加振実験を実施した。その最終段階(トレンチ深さ0.8m)で,減衰材として廃タイヤゴムチップ混入砕石アスファルトを新設基礎ブロック(IF)のレンチ部に打設し加振実験を実施した。なお,実験後,周辺地盤を含めて地震観測を継続している。加振実験および地震観測とそれらのシミュレーション解折から得られた主な知見は下記の通りである。 改良型基礎ブロック(IF)の従来型基礎ブロック(CF)に対する,減衰性能向上および振動低減効果が定量的に明らかになった。加振実験結果から,IFはCFに比べ共振振動数帯域での単位加振力当たりの応答変位が約30%低下することが確認された。新潟県中越地震をはじめとする32波の地震観測データから推定した,基盤に対する基礎ブロックの伝達関数から,周波数によって異なるがIFはCFに比べ応答低減が確認された。しかしながら,低下率は加振実験ほどではない。これは,基礎ブロックの寸法が小さいことや側面部からの入力が小さいことに起因している。 シミュレーション解析は,IFの減衰性能や振動低減効果を良好に模擬できた。しかしながら,地震観測のシミュレーション結果は加振実験の結果に比べ,対応があまり良くない。このことから,地震応答は近傍の構造物や地盤の不整形性の影響を強く受けることが示唆された。
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