研究分担者 |
深井 一夫 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60156734)
吉野 博 東北大学, 工学研究科, 教授 (30092373)
三田村 輝章 足利工業大学, 工学部, 講師 (10406027)
全 貞ユン 延世大学校, 生活科学部, 助教授
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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研究概要 |
本研究では,在室者の行動を考慮した温熱環境評価を実現するため,代謝量変化が温熱感覚に及ぼす影響と在室者の温熱適応性について検討を行った。 まず,代謝量変化が温熱感覚に及ぼす影響について明らかにするため,被験者実験を行った。実験の結果,代謝量の増加・減少に対して,温冷感は変化直後から直ちに上昇・下降を始め,指数関数的に変化することが明らかになった。また,歩行時における温冷感の変化の速さと運動負荷との間に明確な傾向はみられなかったが,室温との間には一定の関係がみられ,低温条件において変化が速くなる傾向にあった。一方,着席時における温冷感の変化の速さは,直前の運動負荷および室温との間に明確な傾向は観察されなかった。 次に,オフィスにおける在室者の温熱適応性を把握するため,オフィス6件を対象としてアンケート調査および温熱環境実測を行った。実測結果から,オフィスにおいて行われる着衣量調節について,外気温・室温・性別・服装規定との関係を明らかにした。また,オフィスを二つのグループに分類して温熱環境の操作のしやすさが温熱感覚に及ぼす影響について検討したところ,本調査においては二つのグループに明確な差が見られず,至適SET*はともに約26℃となっていた。本実測より推定された快適範囲はSET*22℃〜29℃であった。 また,オフィスにおける在室者の温熱適応性を把握するため,教室2件を対象としてアンケート調査および温熱環境実測を行った。実測結果より,教室における至適SET*は約25℃,快適範囲はSET*22℃〜27℃であった。オフィスの快適範囲と比較すると,教室の快適範囲は約2℃狭くなっていた。教室では,オフィスと比べて適応行動に対する制限が厳しいために,満足度が低下しやすくなっていた可能性がある。
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