研究課題/領域番号 |
15360332
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木村 薫 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (30169924)
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研究分担者 |
曽我 公平 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (50272399)
川口 健二 (川口 建二) 産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 主任研究員 (80344141)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2003年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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キーワード | 超伝導材料 / ボロン系半導体 / 正20面体クラスター / 高対称性 / ドーピング / 可変領域ホッピング伝導 / パウリ常磁性 / 複雑構造固体 |
研究概要 |
ボロン正20面体クラスター固体(B-ICS)は、軽元素のためフォノン振動数が高く、強い電子格子相互作用が予測されることに加え、B_<12>クラスターの高い対称性による大きな状態密度を持ち、金属ドープによりフェルミ準位を状態密度のピークに調整できれば、高い温度での超伝導発現の可能性がある。本研究は、B-ICSの代表格であるβ菱面体晶ボロン(β-B_<105>と、我々が無触媒調整に成功したα正方晶ボロンナノベルト(BNB)に、Mgドープに行い、その構造と物性を明らかにすると共に、新規高温超伝導体を探索することを目的とした。 β-B_<105>にMgをドープした結果、最大でMg8.6/cellの大量のMgドープを達成した。β-B_<105>には内因性アクセプター準位(LAL)が存在するが、これは8個程度の電子を収容できると考えられ、Mgドープにより、IALを越えた電子ドープに成功したと考えられる。しかし、電気伝導は可変領域ホッピング伝導を示し、金属転移すら観測されなかった。磁化率と電気伝導率の温度依存性から求めたフェルミ準位での状態密度のドープによる変化から、IALの上に新たな局在準位の存在が示唆された。この局在準位は多くの欠陥を有するB_<28>クラスターに由来すると考えられ、B_<28>クラスターを持たない他のB-ICS(BNB等)において、超伝導を目指すべきである。 BNBは、B_<12>を構造単位とする新しい構造タイプのナノワイヤーと位置づけられる。BNBの電気抵抗やFET特性と、温度依存性の測定から、キャリアはBNB中を可変領域ホッピング伝導している。MgドープBNBの電機伝導率は、室温でドープ前より約百倍大きい(約10^<-1>(Ωcm)^<-1>)。MgドープBNBもドープ前と同様にホッピング伝導であるが、抵抗の温度係数はドープ前のそれより小さい。今後は、ドープ量を増やし、金属転移や超伝導転移を目指す。
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