研究課題
基盤研究(B)
本研究では、合金の規則ドメインの3次元構造を解析する有効な手法の確立を進め、規則ドメイン構造の観点から規則化ならびに不規則化過程を明らかにすることを目的とした。ここでは、生体物質あるいは有機物質の3次元組織解析の新しい手法として最近開発された透過電子顕微鏡による3次元トモグラフィー技術を、結晶組織である合金のドメイン形態の解析に初めて応用した。具体的には、D1_a型長範囲規則(LRO)ドメインを有するNi-Mo合金について、超格子反射による暗視野像を様々な方位から観察し、そこからトモグラフィー法によってドメイン形態の3次元構造を明らかにする実験手法の確立を目指した。さらに、モンテカルロ計算で求めた原子配列から規則ドメインの種類の選別と界面(逆位相境界)を抽出するアルゴリズムを確立して、理論面からも3次元の原子配列ならびにドメイン形態について検討を行った。主な成果を以下にまとめて述べる。1.fcc不規則相とD1_a構造を有する規則相との2相共存状態にあるNi-18 at%Mo合金の、規則格子反射によって結像した暗視野像から規則ドメインの3次元構造を解析する実験的手法の検討を進めた。規則格子反射が現れる結晶軸と試料ホルダー傾斜軸(X軸)を一致させ、試料を傾斜させながら規則格子反射暗視野像を撮影し、規則粒子の3次元の形態と分散状態を示す構築像を得ることに成功した。2.その結果、Ni-Mo合金のD1_a規則析出粒子は、<100>方向に頂点を持ち、その中の1つの[100]方向に長軸を有するラグビーボール状であることが判明した。3.Ni-19.5 at%Mo合金について、D1_a単相規則状態でのドメインの3次元形状を実験的に明らかにすることに成功し、特定の結晶方位に晶壁面を有する傾向にあることが示された。4.実験に対応するモンテカルロ計算機実験を進め、D1_a規則ドメインが異方的な形状で発達することを明らかにすることに成功した。
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