研究課題
基盤研究(B)
単結晶シリコンウェハ上に作製したゲル膜を一定速度で昇温し、昇温過程で膜の面内方向に発生する応力のその場測定を行った。応力の発生に及ぼす加水分解水の量、メチルトリエトキシシラン、キレート剤、ポリビニルピロリドンの効果を調べた。酸性触媒下でテトラエトキシシランを加水分解してコーティング液とし、シリカゲル膜を作製した。ゲル膜の昇温過程で膜の面内方向に発生する引っ張り応力は、出発溶液中のH_2O/TEOSモル比の増加とともに大きくなることがわかった。また、一部のTEOSのメチルトリエトキシシラン(MTES)への置換、ポリビニルピロリドンの添加のいずれもが、応力の発生を抑制することを明らかにした。チタンテトライソプロポキシドを加水分解してコーティング液とし、チタニアゲル膜を作製した。酢酸やアセチルアセトンなどのキレート剤の添加、ポリビニルピロリドンの添加によって、ゲル膜の昇温過程で膜の面内方向に発生する引っ張り応力が抑制されることがわかった。ゾル-ゲル法により作製されるシリカ薄膜においては、加水分解水量が小さいほど、また、三官能アルコキシドの使用により、亀裂の発生がおこりにくくなり、限界厚さ(1回のコーティング操作で達成できる最大の膜厚)が大きくなることがすでに知られている。また、ゾル-ゲル法によって作られるセラミック薄膜において、コーティング液中へのキレート剤の添加やポリビニルピロリドンの添加が、限界厚さを大きくするのに効果的であることが知られている。亀裂発生と限界厚さにかかわるこれらの経験は、上記の研究より、昇温過程で発生する応力の抑制によってもたらされるものであることが本研究によって明らかとなった。
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