配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2005年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2004年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2003年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
本研究ではレーザーAE法の高度化と,基礎的検討および応用を通して,レーザーAE法の信頼性評価手法としての有効性を明らかにすることを目的とした.既存の非破壊評価手法や従来のAE法の特徴・問題点を明らかにすることにより研究目的を明確にした.PZT素子を用いる従来のAE法は変換子の接着に伴う多くの問題を有してが,レーザー干渉計を用いたAE計測手法は,表面速度の絶対値測定可能であり,また雰囲気の制約を受けにくいため苛酷な環境下での非破壊評価手法として大きな可能性を有している.誘電体薄膜の絶縁破壊プロセス評価に適用し,発生電界値および周波数によって損傷形態が区別できることや,前駆電流の要因が相転移や微視破壊ではないことを明らかにした.さらに微小な部分放電を検知でき,液体中でも直接AE計測可能であることを明らかにした.次にアクティブ複合材料の熱変形過程評価に適用し,動作特性の非線形性の原因が熱応力による微視破壊であることを明らかにし,その損傷の生じる温度域を求めた.さらに波形のウェーブレット解析により複合材料の個々の損傷過程を明らかにした.次に,厚さ50-100μmの金属薄膜の変形・損傷過程での非接触AE検出にも成功した.さらに材料作製プロセスに非接触AE計測を行いることにより,インプロセスでの信頼性評価を行った.セラミックス焼成時のインプロセスAE計測を行い,1500℃を超える高温でも微視割れを検出可能であることを示した.これらの知見はレーザーAE法を用いることで初めて明らかにできたものであり,現象の基礎的理解や材料設計を行う上で,本手法を用いた評価が有用であると結論できた.以上,本研究では従来適切な信頼性評価手法の存在しなかった,極限環境でのヘルスモニタリングを実現するためには,レーザー干渉計を用いた非接触計測手法がきわめて有用であることを実証できた.
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