研究課題/領域番号 |
15360367
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
掛下 知行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90127209)
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研究分担者 |
福田 隆 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50228912)
寺井 智之 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20346183)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2004年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2003年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | マルテンサイト変態 / 形状記憶合金 / 結晶磁気異方性 / 磁歪 / 双晶変形 / 剪断応力 / 磁化曲線 / 単結晶 / 磁気モーメント / 磁場誘起 |
研究概要 |
磁場により数%もの巨大歪を制御することのできるアクチュエータ用材料として強磁性形状記憶合金が近年注目されている。この巨大変形は双晶変形の一種であり、磁場を加えることにより発生させた歪は一般に磁場を除去させるだけでは回復させることはできず、バイアス応力を付加するか、温度を上昇させて逆変態させる必要がある。このことは、通常の形状記憶合金をマルテンサイト状態で応力により変形させた場合と同様である。ところで、通常の形状記憶合金の母相状態で応力を加えると応力誘起マルテンサイト変態し、それに伴い大きな歪が発生するが、この場合は、応力を除荷すると逆変態により元の形状に戻り、いわゆる変態擬弾性を示す。これと同様に、磁場によりマルテンサイトを誘起できれば、磁場印加に際して巨大歪が現れ、磁場除去により回復することが期待できる。本研究では、この機構による巨大歪の可能性を探るため、Ni-Mn-Ga系強磁性形状記憶合金のマルテンサイト変態温度の磁場依存性を詳細に調べた。Ni-Mn-Ga系合金においては、2M、14M、10Mと呼ばれる3種のマルテンサイトが存在する。そこで、これらの変態をする合金多結晶ならびに単結晶を作製し、磁場によるマルテンサイト変態温度の変化を調べた。その結果、10Mマルテンサイト変態する合金においては、低磁場においては、変態温度は磁場により低下し、さらに磁場を加えると増加することが明らかとなった。磁場によるマルテンサイト変態温度の変化は1T当り約1K程度である。14Mマルテンサイト変態する合金においても、低磁場では変態温度はわずかに低下した。これに対して、2Mマルテンサイト変態する合金では、変態温度は磁場に対して単調に増加することが明らかとなった。変態潜熱ならびに母相ならびにマルテンサイト相の磁化の差を変態温度付近において詳細に求め、以上述べた変態温度の磁場依存性をクラジウス-クラペイロンの関係により整理した。
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