研究課題/領域番号 |
15360394
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 北九州工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山田 憲二 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (80101179)
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研究分担者 |
中村 裕之 北九州工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (70172434)
松嶋 茂憲 北九州工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (80229476)
山根 大和 北九州工業高等専門学校, 総合科学科, 助教授 (70332096)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 材料加工・処理 / プラズマ加工 / 表面・界面物性 / 構造・機能材料 / ナノ材料 / 触媒・化学プロセス |
研究概要 |
マグネトロン型低温プラズマ装置を用いて、酸化チタン微粒子薄膜をアルゴンプラズマ処理した後、大気開放せず連続して窒素プラズマ処理を行った。アルゴンプラズマ処理と窒素プラズマ処理を全て同条件で行った結果、微粒子への窒素ドーピングが起こり、Ti-N結合が形成することを明らかにした。酸化チタン薄膜の連続プラズマ処理により、アナターゼ結晶型は変化せず、酸化チタンの結晶転移は認められなかった。しかしアナターゼ(101)面の半値幅は処理時間に伴って増加し、連続プラズマ処理により結晶格子歪が増大することがわかる。結晶格子歪の増大は、結晶格子内におけるTi-N結合形成及び酸素欠陥形成によると考えられる。酸素欠陥形成については、連続プラズマ処理後にドナー密度が増大することから確認した。 連続プラズマ処理薄膜は可視光吸収を示し、可視光吸収は処理時間に伴って増加した後、減少した。また可視光応答性は、可視光吸収特性に依存して可視光吸収最大の処理時間で最大となった。窒素ドープ酸化チタンのエネルギーバンドの理論解析結果との対応から、可視光応答化酸化チタンではバンドギャップの狭窄化をもたらすのに十分な窒素ドーピングによるTi-N結合が形成していると推測される。放電時間の増加に伴ってTi-N結合分率は増大する傾向を示したが、可視光応答性は減少したことからTi-N結合分率の最適値が存在することが考えられる。すなわちTi-N結合分率が増大しても、酸素欠陥の形成が顕著となるために、可視光応答性発現を抑制すると推測される。 本研究において、低温プラズマ処理による酸化チタン微粒子表面ナノ構造制御により、Ti-N結合形成の促進と酸素欠陥形成の抑制が実現可能であることを明らかにし、酸化チタン微粒子の可視光応答性を発現させ、高効率光触媒の創製を実現させた。
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