配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2003年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
電流・磁場分布の非対称化により溶融池内に一方向電磁力を発生させ,溶融金属の流れとビード形状を制御する"溶融池磁気制御溶接法"について,研究者代表者はこれまで提案・一部実用化している。本研究では磁気制御法の高度化(適用姿勢・材質拡大,高機能化,知能化)を図り,幅広い工業分野への応用を可能とする基盤技術作りを狙いとして実施した。その結果,研究協力者の支援も得て,本研究における当初の目的は達成された。概要を以下に示す。 1.溶接部の熱伝導解析及び電磁気解析を連成して,磁気制御溶接部の温度・磁化特性・磁場・電流分布・電磁力分布特性を詳細に解析する手法を構築し,実験システム試作の指針を設定するとともに,適正な磁気制御溶接条件を予測した。 2.上述の解析にもとづき上向,下向,立向姿勢へ適用可能な磁場付与方法を提案し,全姿勢にて磁気制御溶接可能なシステムを試作した。 3.非磁性体材料の例としてオーステナイト系ステンレス鋼,強磁性体材料の例として炭素鋼を選定し,上向,下向,立向姿勢で磁気制御溶接実験を行い,その溶接現象を明らかにするとともに,従来の技術では溶接欠陥が発生する状況においても,電磁力制御により各姿勢・材質で欠陥を防止し大幅なビード形状の改善効果があることを実証した。さらに厚板9%Ni鋼の立向溶接では,溶融金属を開先側壁に電磁力で押し付け,ビードの凸化を防止し能率を従来の2倍とする磁気制御法を開発し,大手機械メーカと共同でLNGタンク建設に本格実用化した。 4.本手法をさらに活用し,溶け込み深さを電磁力という新しいパラメータで制御する知能化溶接法を提案し,その可能性を実験的に示した。さらに非対称交流磁場によりビード'形状の制御と凝固組織の微細化を同時に行える新しい高機能化溶接法を提案し,その可能性を実験的に示した。 今後は,本研究で新しく提案し得た溶融池磁気制御の知能化・高機能化法について,現象と効果の明確化,応用技術の基盤作り等を進めたい。
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