配分額 *注記 |
8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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研究概要 |
有機溶媒中及び溶融塩中における電気化学的手法を用いてZnTe光半導体皮膜の生成プロセスについて検討を行った。 有機溶媒中におけるTe化合物の溶解度が低いため拡散律速になりやすく,電析電位と電解液中濃度は皮膜の組成に強く影響を及ぼした。プロトン性の溶媒と非プロトン性の溶媒によりTeの挙動に変化が見られたが,ZnTeの成膜にはZnがUPDを生じる条件が有効であり,さらに電解液中のZn : Te比が10:1のときに単体ZnTeを得ることができた。特に炭酸プロピレン溶媒中の10mM ZnCl_2-1mM TeCl_4浴が有効であった。しかし,Teが高濃度比の場合,あるいは低濃度比の場合にはZnTeと単体Teが共析した。水溶液中でのZnTeの電解の場合にも有効なZn^<2+>/Te^<4+>濃度比が存在したことから,UPDを利用した化合物半導体の生成には最適なイオン濃度比が存在するといえる。しかし,その理由についてTe化合物の析出という観点から検討したが,溶液中のイオンの賦存状態によるものなのか,UPD析出のメカニズムによるものなのか,現時点では不明である。 表面性状,電気的特性の向上を目的に,炭酸プロピレン浴中からのCuのドーピングについて検討したところ,0.01mM CuCl_2の添加により,単相ZnTe皮膜が得られ,そのXRDピークは無添加のものよりも鋭く,また,表面もより平滑化し,キャリア密度も向上した。 TeCl_2溶融塩の蒸気を用いたZn基板上置換法によるZnTeの生成を試みた。有機溶媒中,溶融塩中の電解法と比べ析出速度が著しく速く結晶性に富んだものが得られたが,平滑性は有機溶媒中のものには及ばなかった。
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