配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
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研究概要 |
溶融塩中での不均化反応を利用した高融点金属,高融点金属化合物のコーティング法,メタライジング法について研究した.研究は,主に1000-1200KのTiCl_3,またはK_2TiF_6を含むNaCl-KCl等モル混合浴中でのTi析出に注目して行った.得られた成果は以下の通りである. 1)溶融塩中でのTiの不均化反応に影響をおよぼす因子について熱力学的,実験的に検討した.その結果,温度変化によりTi析出を誘起できることを示した,また,処理基材がTiと合金を形成する場合には,表面へのTi合金層の形成が期待できることを明らかにした.さらに,フッ化物添加がTi析出反応速度の向上に応用可能であることを示した. 2)Tiイオンを含む溶融塩中への単純浸漬処理により,アルミナ表面にTi金属が,石英ガラス表面にTi化合物が析出することを示した.但し,析出物は粒状であり,緻密なメタライジング層を形成することはできなかった.さらに,溶融塩に温度勾配をつけることによりTi析出速度の向上が期待できることを示した. 3)Tiイオンを含む溶融塩中への浸漬により,Fe, Ni,炭素鋼表面に緻密で密着性の良いTi合金コーティング層が得られることを示した.各合金層は組成の異なる数層から構成されており,TiCl_3とK_2TiF_6を用いた浴での結果に顕著な差は見られなかった.形成された層中での拡散が律速反応であること,また,鉄鋼材料の塩水に対する耐食性が本処理により大幅に改善されることを示した.ステンレス鋼表面には薄いTi金属コーティング層が得られ,Crの存在が大きな役割を果たしていることを明らかにした,更に,LiCl-KCl共晶溶融塩を用いて,より低温での処理も試みたが十分な結果は得られなかった. 4)K_2MoO_4を含む溶融塩中でMoコーティングを試みたが,金属材料上にはMoO_2が析出し,セラミック上には析出物が得られなかった.
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