配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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研究概要 |
本研究課題の遂行により、以下に示す研究成果を得た。 1本鎖オリゴペプチド誘導体に簡易分子インプリント法を適用することにより得られる光学分割膜において、(1)不斉認識部位を形成可能なアミノ酸残基数は3-6残基である、(2)簡易分子インプリント法を適用することにより形成される不斉認識部位の不斉認識能はオリゴペプチドを構成するアミノ酸残基の絶対配置ならびに鋳型分子の両者の組み合わせに依存し、オリゴペプチド誘導体がD-アミノ酸残基より構成される場合は,D-体の鋳型分子が機能し,結果としてD-体認識部位が形成され,またその逆も可能である、(3)ラセミの鋳型分子を採用によっても,不斉認識膜の構築が可能であることを明らかにした。 2本鎖オリゴペプチド誘導体を不斉認識部位形成候補物質として採用することにより、1本鎖オリゴペプチド誘導体より誘導される光学分割膜に比較して高い不斉認識能を与える不斉認識部位をもつ光学分割膜が獲得されることを明らかにした。 オリゴペプチド誘導体に限らず、不斉な環境をもたない純合成高分子に簡易分子インプリント法を適用することにより、不斉認識部位をもっ鋳型膜へと変換可能であることをも明らかにした。また,その研究の一環として、表面プラズモン共鳴(SPR)により、形成された不斉認識部位(分子認識部位)の標的化合物に対する親和性を簡便に評価可能であること,換言すれば、当該研究の遂行により新たに得られた鋳型材料がセンサー素子として有効であることを明らかにした。 本研究課題の遂行により得られた成果は10報の欧文誌ならびに1冊の著書(分担執筆)にまとめられており、キラル場形成素子をもつ高分子材料に簡易分子インプリント法を適用することにより、それら材料を簡便に光学分割膜へと変換可能であり、得られた光学分割膜が光学活性な化合物を連続的に分離可能なことを明らかにした。
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