研究課題/領域番号 |
15360430
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・資源化学プロセス
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平井 隆之 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 教授 (80208800)
|
研究分担者 |
白石 康浩 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 助教授 (70343259)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
|
キーワード | 光触媒 / ナノ細孔 / 多孔体結晶 / 有機合成 / シリカ / 酸化チタン / 高選択的有機合成 / オレフィン / エポキシド / ケトン / ゼオライト / 選択的物質変換 / チタノシリケート / 無害化・再資源化 |
研究概要 |
本研究は、多孔体結晶の組織化されたナノ細孔を「光触媒反応場」として利用することにより、高選択的な有機合成反応を実現することを目的として行った。 まず、チタン酸化物を含有するシリカ多孔体(Tiシリケート)が、細孔径とほぼ等しいサイズの化合物の反応を選択的に触媒する機能を有することを明らかにした。この機能により、細孔径とほぼ等しいサイズの基質を少し小さな分子に変換する反応に利用できることを明らかにした。さらに、メソ細孔を有する酸化チタンが、触媒表面に吸着しやすい化合物の反応を選択的に触媒する「吸着依存型の光触媒活性」を発現することを見出した。この機能により、ベンゼンからフェノールの直接合成を80%以上の選択率で進行させることを見出した。また、有機光増感剤をゼオライトのスーパーケージ内に固定化した光触媒により、可視光(λ>400nm)照射下、分子状酸素によるオレフィンからカルボニル化合物の選択的変換が>99%以上の選択率で進行することを明らかにした。 さらに、固体表面での活性種の精密設計による選択的物質変換に取り組んだ。メソ細孔を有するシリカ多孔体にチタン酸化物を固定化したメソTiシリケートを光触媒として、アセトニトリル存在下、分子状酸素によるアルカンの光エポキシ化が高選択的に進行することを明らかにした。また、Cr酸化物を含むシリカが、可視光(>400nm)励起により、分子状酸素によるシクロヘキサンのシクロヘキサノンへの酸化およびオレフィンの部分酸化を選択的に進行させることを明らかにした。また、独自に開発した合成法により、シリカ相により部分的に「被覆された」V酸化物を含有するシリカを合成し、水の存在下でも高い光触媒活性を示すことを明らかにした。 さらに、有機高分子を用いる選択的な物質変換法の開発に取り組んだ。有機光増感剤を疎水性の内部空間に配置し、かつ外殻部を親水性のデンドロンにより覆った、両親媒性デンドリマー光触媒を合成し、本光触媒が分子状酸素によるスルフィド類の光酸素化反応を促進することを明らかにした。また、また、ポリ-N-イソプロピルアクリルアミドに光増感剤を共重合させたランダムポリマー光触媒を合成し、本光触媒が、水中、分子状酸素の存在下での光酸素化速度を温度変化により自在に制御できることを明らかにした。
|