配分額 *注記 |
13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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研究概要 |
本研究では,宇宙機等の燃料タンク壁を炭素繊維強化複合材料で製作することを目標に,積層板の燃料漏洩特性に関するこれまでの知見に基き,タンクの燃料保持性能を向上させる手法の開発を目指した.まず,積層板中の主要な燃料漏洩経路としてのトランスバースクラックに注目し,損傷と漏洩との関係を実験的に求め,その予測式を導いた.さらに,損傷の発生・蓄積挙動を実験と解析で把握し,特にトランスバースクラックが生じた層の隣接層での新たなクラックの発生・進展を理論的・実験的に検討した.その結果隣接層相互の繊維方向が近いほど,新たなクラックが生じてもそれが進展して広がらないことを明らかにした.一方で,上述の知見に基き,クラックが全層に生じることを抑制し,健全な層を残すことが漏洩抑止にとって不可欠であることを突き止めた. 健全な層内での拡散による燃料透過性を下げるために,カーボンナノチューブを樹脂に分散させることが有効である可能性を見出した.またナノチューブの多面的な有効性に注目し,多層型カーボンナノチューブ(MCNT)を分散させた樹脂材料について,引張特性,熱伝導性・電気伝導性を実験的・理論的に検討した.さらに,より詳細な現象把握のため,母材となる樹脂を従来のエポキシに加え,ポリエーテルイミドも対象にして分散効果を調べた.その結果,同じナノチューブ含有率の場合で比較して,引張剛性の向上効果はポリエーテルイミドの場合でより大きく,力学的な効果が高いことが明らかになり,一方,電気伝導率については,反対にエポキシ樹脂に分散させた場合に伝導率向上効果が大きい結果が得られた.ナノチューブの分散効果の優劣は,注目する特性が異なる場合には必ずしも同じ傾向を示さず,より詳細な検討が必要であることが明らかになった. 本研究の成果報告書は,得られた研究成果を発表した学会誌及び口頭発表の講演原稿を収録する形でまとめた.
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