研究分担者 |
石田 廣史 神戸大学, 海事科学部, 教授 (60031473)
出口 一郎 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (00029323)
藤井 英信 大島商船高等専門学校, 商船学科, 教授 (10043928)
久保田 崇 大島商船高等専門学校, 商船学科, 助手 (40413843)
塩谷 茂明 神戸大学, 海事科学部, 教授 (00105363)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2005年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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研究概要 |
港湾内の停泊,係留船舶にとって,港内で誘発される長周期波浪(周期数十秒から数分)によって大きな動揺は,係留強度の検討や荷役作業などに大きな問題となる.港湾設計上,通常の重力波(周期約0.1〜10秒度)が引き起こす諸問題については,海洋および土木工学の研究成果によってハード面でかなり解決されている.しかしながら,外洋そして沿岸海域から伝搬して来ると考えられるこのような長周期波浪(振幅が数十cm以内で,周期が約数十秒から数分)は, 1.長周期波浪の長い水粒子運動軌道によって港湾口付近には強い剥離流や早い流れを誘発し,海底流砂や堆積物の運搬による港湾埋没の原因となっている. 2.港湾口付近の強い剥離流や早い流れによって,港湾口付近の狭い航路を航行する船舶の安全航行に大きな問題が生じている. 3.波浪エネルギーの伝搬減衰が小さく反射率が大きいため,港湾内への入射後,ほとんど減衰せずに港湾内で反射を繰り返し,港湾固有振動と共振して港内波高を増大させ,港内停泊,係留船舶に危険で大きな動揺を引き起こしている. 港湾設計や港湾内の停泊,係留船舶に対するこのような長周期波浪に関する諸問題についての研究は,まだ始まったばかりでその成因や特性については正確には理解されていず,研究は十分ではない.特に観測事実に基づいた長周期波浪の成因と特性を理解するための研究が重要と考えられるが,長周期波浪の空間的形態は,周期が通常の重力波浪の周期に比べて非常に長く(波長が長い)振幅が小さいので,従来の波浪観測技術ではその計測が不可能であるのが現状である. 本研究では,K-GPS(キネマティックGPS)測位方法を長周期波浪の海面変位観測用にGSP測位信号処理法を改良することによって,今までは測定不可能であった長周期波浪の3次元的波浪情報を得る観測システムと解析技術の開発を目的とする.これらの長周期波浪の観測システムと解析技術の開発を基に,長周期波浪の成因や特性の解明についての研究や,そしてそれによって起因する港湾や船舶関係の諸問題についての研究促進が計られると考えられる.
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