研究分担者 |
歌田 久司 東京大学, 地震研究所, 教授 (70134632)
深尾 良夫 JAMSTEC, 地球内部変動研究センター, センター長 (10022708)
武井 康子 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30323653)
中尾 茂 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (90237214)
小河 勉 東京大学, 地震研究所, 助手 (00345175)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,高精度弾性波測定システムの導入による地下空間地層環境モニタリングシステムの開発,および既存の観測系の結果を総合し,地下空間内部および外部の環境を支配するメカニズムを地球物理的手法の観点から検討することである.一般に,地殻変動観測等で要求される微小な変化をとらえるために気象変動等の外的擾乱の小さな地下観測壕が用いられる.その結果,計測される変化量も僅かとなり複数の物理量の比較観測を実施してもモデルの絞込みが困難なことが多い.本研究のテストサイトに選定したアルプスの観測壕は気象変動による擾乱がおさえられているだけでなく,隣接するダム湖の水位の年周変動が60mに達するので,ショートタームで変動する僅かな量のモデリングの絞込みにロングタームで変化する大きな外力変化が利用できるという特徴を持つている.ただし冬のほぼ半年間,降雪のためアクセス不能となること,オンライン化も困難であり,しかも観測壕内では12VDCが最大利用可能電圧であるという問題点があった.本研究では12VDCで稼動し半年間メンテナンスフリーで動作可能な高精度弾性波速度測定システムを設計し,研究計画二年目に現地に設置し連続観測を開始した.2006年4月に雪上車で到達したフランスの共同研究者が比較的長時間観測小屋のドアをあけたためパーソナルコンピュータが結露し稼動を停止するまで,1年半にわたり無人で動きつづけた.えられた弾性波到達時間の経時変化はダム湖の水位変動と調和的であり,外力から推定された弾性波速度の応力感度係数は,岩手県釜石で類似の試験によりえられた結果と調和的であった.
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