研究課題/領域番号 |
15360484
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
リサイクル工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
盛岡 通 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30029350)
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研究分担者 |
吉田 登 和歌山大学, システム工学部, 助教授 (60263224)
山本 祐吾 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30379127)
恒見 清孝 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (20322175)
藤田 壮 東洋大学, 工学部, 教授 (70263217)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2004年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | リユース / 高質リサイクル / 環境効率 / エコデザイン / 意思決定支援 / 機能提供型ビジネスモデル / 廃棄物産業連関分析 / 高度循環システム / 資源生産性 / 兵庫エコタウン / マテリアルリサイクル / 部品リユース |
研究概要 |
平成12年度に施行された循環型社会形成推進基本法のもとで、循環型経済システムの構築に向けた3Rの取り組みが展開されてきた。その初期段階では、技術的あるいは経済的に実現可能性の高い取り組みが先行して実施されてきたが、低質なカスケード型のリサイクルに留まっていることや、海外の特に途上国での再利用に依存する仕組みになっていることなど、より高度な資源循環の形成を目指す上で問題も多い。今後、循環型経済システムの変革をさらに進展させるためには、リサイクル率の向上はもちろんのこと、そのリサイクルの質も重要視し、資源の高度な循環的利用を図ることが重要である。このときに鍵となるのは、製品や部品、素材が持つ機能レベルを維持しながらリユースやリサイクルを推し進めていく、高度なループ・クロージングの形成である。 本研究では、高質なリサイクル・リユースの循環経済システムを構築するためには、製品ライフサイクルのプロセスごとに組み合わせたシナリオを大胆に設定して、課題としている部品リユースや素材の高質リサイクルを実現するための環境戦略や将来像を描くことが重要であると捉え、以下の分析・評価をおこなった。 (1)高質リユース・リサイクルの製品戦略のガイド作成とエコバランス評価 過去の準備的研究によって、家電冷蔵庫のコンプレッサーをリユースするターゲットとし、また鉄の高質リサイクルにおける銅の濃度の高まりを防止することをシンボリックなターゲットとしており、中軸的な役割を果たす(1)家電冷蔵庫の製品寿命延長に関する複数のシナリオ、(2)自動車の解体・処理に関する複数のシナリオを想定した。環境インパクトと費用の両面から多元的に評価し、高質リユース・リサイクル事業の実現可能性を評価した。また、工業製品の生産・組立産業側が部品リユースを計画する段階において、その構想と意思決定を支援する部品リユース性評価フレームを構築した。具体的には、部品の残存価値や解体容易性に関する近似性や相違点などの特徴を見出し、エキスパート・ジャッジメントに基づいて高度循環形成を推進する製品戦略のガイドを作成した。 (2)高度循環形成に向けたマーケティング戦略の構想と評価 家電冷蔵庫のコンプレッサーのリユースはユーザーのメンテナンス情報と一体でおこなうのが望ましく、部品・ユニットの持つ結集された知恵と残存価値を利用できるようにリユースの受け皿を探索することが望ましい。そこで、ユーザーの製品に対する機能要求の度合いを明らかにし、暮らし方や住まい方、製品の使い方などに応じた製品・サービス提供のあり方を予測・検討して、リユースの受け皿となる市場のターゲット層を調査・分析した。その上で、消費者の満足度を高めるメンテナンス・サービスやリースなど、リユースと連動した機能提供型ビジネスモデルのあり方を構想した。 (3)高質リユース・リサイクルを推進するシステム設計と環境効率性評価 都市全体の物質代謝を考慮するときに、製品・部材やスクラップの輸出入も含めてマテリアルフローの算出をおこなうとともに、リサイクルを阻害する要因として、鉄の忌避物質である銅の混入をマクロ分析の律速条件としてシンボリックに扱い、経済制度のシナリオ別に銅蓄積のシミュレーションと効果の将来予測をおこなった。また、高質リユース・リサイクル事業の環境効率性を評価する枠組み、指標と手順を製品連鎖に沿って開発し、その改善効果を定量的に評価した。
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