配分額 *注記 |
9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2003年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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研究概要 |
(1)黒鉛(IG430U東洋炭素製)に低エネルギー・高粒子束の重水素プラズマを照射し、ダスト生成の電子密度,電子温度,照射量依存性について調査した。電子密度が高く(10^<18>m^<-3>以上)電子温度が5eV以上の時,10^<25>m^<-2>以上の照射量において黒鉛表面に多数のダストが観測された.電子温度5eV以下の低電子温度条件下では,10^<25>m^<-2>以上の照射量においてもダストは生成されない.炭化水素不純物の輸送解析を行い,高密度高電子温度領域では黒鉛表面から放出された炭化水素のプラズマ中での解離・電離が速やかに起こり,その後プラズマ流との摩擦力により炭化水素が黒鉛表面へ輸送・再付着するため.ダストが形成されることが明らかになった.さらにダストの輸送を調べるために,ダストに働く力を評価した.流れがある(イオン音速の0.2倍)の高密度プラズマ中では,ダストに働く力として,ダストとプラズマ流間の摩擦力が非常に大きい.特にサブミクロンの大きさのダストに対して摩擦力は顕著であり,黒鉛ターゲット表面で生成・放出されたサブミクロンのダストは,直ちに黒鉛ターゲット上に再堆積することが明らかになった. (2)タングステンに低エネルギー・高粒子束の水素およびヘリウムプラズマを照射し,ダスト形成を調べた.粉末焼結タングステンに水素プラズマを照射した結果,ブリスターが形成され,その剥離によるダスト形成が見られた.また,表面温度が1600K以上でヘリウムプラズマを照射した結果,ヘリウムバブルとともに再結晶化により形成された粒界が表面から放出され,ダストが形成された.さらに現在大型核融合装置で用いられているタングステン被覆黒鉛材料に対してヘリウム照射実験を行った.ヘリウムプラズマを照射した後の試料表面では著しい黒色化が見られた.表面には球状のドームとダストが多数形成され,それぞれのドームには孔が観測された.これは,バルク材でも観測されるヘリウムバブルの成長に伴い形成されたと考えられる.しかし形成される表面温度が1250Kとバルクでのヘリウムバブル・ダスト形成温度(1600K)よりも低いことが分かった.
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