配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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研究概要 |
大型超伝導コイルに用いられるケーブル・イン・コンジット(CIC)超伝導導体は,変動磁場を受けると,通常の時定数を持つ交流損失の他に,10-100秒程度の長時定数を持つ不規則なループによる交流損失を発生することが確認された。 これらの不規則なループは,各サブケーブルの撚りピッチの最小公倍数の長さで同じパターンが繰り返されるので,ある点で接触した素線が最小公倍数の長さで再度接触して構成される長いループであることが分かった。これらのループの時定数はインダクタンスとループを構成する素線間の接触抵抗の比で表されるので,実際の装置に用いたCIC導体の素線間の接触抵抗を測定した。その結果,弾性変形範囲の接触抵抗は50-100μΩ程度であった。一方,CIC内の長ループのインダクタンスは10μH程度であるので,ループ時定数は約0.1秒程度となる。これらは観測された数10秒の時定数より短い。 この時定数の差の原因は素線間の接触状態に依存すると考えられるので,各素線のケーブル内の配置を調査した。その結果,本来3本の素線が撚られて一体化していると予想していた1次撚り線が,実際には,本来の位置から大きく変位している素線があることが観測された。このような大変位した素線を持つループは点接触でなく長距離にわたる線接触を形成し,接触抵抗が低くなり,長時定数ループが生成されると推定される。 更に接触状況を詳細に検討するために,実際の撚り線機用いて,81本撚りのCICケーブルをボイド率が約40%になるように製作し,それを1m程度エポキシ樹脂で含浸し,約10mmの間隔で85個に切断した。各断面内の素線の配置を計測することにより,全長の素線の位置を3次元計測した。その結果,数10mm以上にわたる接触長を持つ素線があることが分かり,これにより長時定数のループが形成されていることが初めて実証できた。
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