研究課題/領域番号 |
15370008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鷲谷 いづみ 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (40191738)
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研究分担者 |
西廣 淳 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (60334330)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | サクラソウ / ユキワリソウ / Purimulanutans / 馴化 / 地球温暖化 / 光合成 / 遺伝構造 / 土壌シードバンク / Primula nutans / 環境変動 / 微環境 / クローン成長 / エゾオオサクラソウ / 自然選択 / 異型花柱性 / 遺伝的分化 / 隠蔽的自家和合性 / QTL |
研究概要 |
温度や光条件をはじめとする環境条件の変動が野生植物の存続可能性に及ぼす影響を理解するためには、対象とする植物の順化特性や、環境と適応度の関係、個体群の遺伝構造への影響を明らかにすることが重要である。本研究では、3種のサクラソウ属植物、サクラソウ、ユキワリソウ、Primulanutansをモデル植物として、生態学的および遺伝学的アプローチにより、個体群の現状、生理生態学的特性、地上個体群及び土壌シードバンクの遺伝構造を解析した。 サクラソウでは、光環境の変化に対する形態的・生理的馴化特性を野外での測定および室内実験により検討し、光環境の悪化がサクラソウの栄養成長に及ぼす影響を定量的に明らかにした。さらに、呼吸による損失とその季節的変動を明らかにし、光利用性が低い条件下でもラメットの休眠により物質の損失を最小に抑えていることが明らかになった。 ユキワリソウでは、地上個体と土壌シードバンクの空間的な遺伝構造を、マイクロサテライトマーカーを用いて分析した。その結果、1cmよりも深い場所にあるシードバンクは空間構造が明瞭ではないのに対し、土壌表層付近のシードバンクは地上部からの種子供給を強く反映した空間構造を形成していることが示された。さらに、発芽セーフサイトがパッチ的に分布していることにより、個体群の空間構造が強化されていることが示された。 温暖化の指標種として有力なPrimulanutansを対象に、生育環境である高山湿原の微地形環境の空間的・時間的不均一性を明らかにし、それに対する空間分布、成長、形態、生理的応答をチベット高原での野外調査および制御間許可での実験により明らかにした。P.nuntasは、高い形態的可塑性と生理的馴化により、比較的多様な水分条件に応答できるが、日平均気温が10℃以下の冷涼なミクロサイトで良好な物質生産を示すことが明らかになった。
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