研究課題/領域番号 |
15370057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
伊東 広 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (10183005)
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研究分担者 |
水野 憲一 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90212232)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2004年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2003年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | Gタンパク質 / シグナル伝達 / ネットワーク / 低分子量GTP結合タンパク質 / グアニンヌクレオチド交換因子 / 細胞遊走 / アダプタータンパク質 / MAPキナーゼ |
研究概要 |
Gタンパク質共役受容体はヒトの全遺伝子の3%以上を占める巨大な遺伝子ファミリーを形成する。Gタンパク質共役受容体は細胞内へシグナルを伝える際にいずれもαβγの3つのサブユニットからなる3量体Gタンパク質を活性化して細胞応答を引き起こす。しかし、細胞応答にいたるGタンパク質以降の細胞内シグナル伝達機構に関して不明の点が多く残されている。私共は、3量体Gタンパク質シグナルによりMAPキナーゼカスケードが活性化され細胞の増殖能と運動性を制御することを明らかにしてきた。本研究においては、神経幹細胞や癌細胞を用いてGタンパク質を介するシグナルとMAPキナーゼカスケードの関係を調べ、そのシグナルネットワークの分子機構と生理機能を明らかにすることを目的としている。まず癌化した細胞において、Gタンパク質の下流で働く新規のRhoファミリーグアニンヌクレオチド交換反応因子FRGを同定した。エンドセリン刺激によりFRGのCdc42に対するGEF活性が亢進され、その活性化がSrcによるチロシンリン酸化によって起こることを明らかにした。さらにFRGがエンドセリンによる細胞遊走の阻害に関与することを示した。またエンドセリン受容体の下流でCdc42の上流においてアダプタータンパク質Nck1が働いていることを見出した。FRGとNck1がどのような関係にあるかを明らかにすることが次の課題の一つと考えている。また、アデノウイルス遺伝子発現系や脳切片培養系を用いて癌化した細胞のみならず神経幹細胞の遊走もJNKを介したGタンパク質共役受容体シグナルにより調節されることを見出し、その研究を展開している。さらに新たなGタンパク質シグナルネットワークの一つとしてダイオキシンシグナルとGタンパク質シグナルがクロストークすることを明らかにした。
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