研究課題
基盤研究(B)
蛋白質の生物学的機能をとらえる最も有効な手段として、発生工学的手法を用いて作製した遺伝子改変マウスの解析が挙げられる。本研究では、遺伝子改変によって生ずるマウス蛋白質の総体的な変化をプロテオミクス技術によって網羅的に検索するシステム「発生工学プロテオミクス」を構築し、それによって多くの酵素-基質関係を同定することによって種々のシグナル伝達系の総合的理解を目指した。プロテインキナーゼC(PKC)は細胞内シグナル経路の中心的な分子としてその重要性が指摘されてきた。近年PKCファミリーの1つであるPKCδがアポトーシスの際にICE様のプロテアーゼによって切断され、活性型に変換されることが報告された。われわれはPKCδの遺伝子を人工的に破壊したマウス(PKCδノックアウトマウス;以下PKCδ-/-マウス)を作成し、そのマウスにおける発生分化や組織機能における異常を検索することにより生体内でのPKCδの生理的役害を明らかにしてきた。しかしながらノックアウトマウスにおける異常のメカニズムについてはその詳細が不明であり、発生工学プロテオミクスを用いてさらなる解析が必要であった。発生工学プロテオミクスの前段階である定量的フォーカスド・プロテオミクスの技術について開発を行った。特に蛋白質の修飾で最も注目されているユビキチン化とリン酸化に対して、ユビキチン化プロテオーム及びリン酸化プロテオームの解析技術を確立した。さらに定量的プロテオミクス技術の確立を進めるために、培養細胞における安定同位体を用いた代謝ラベル法(SILAC)導入の検討を行った。さらに、これらの確立した技術を組み合わせて、翻訳後修飾関連プロテオームの定量解析技術を確立した。
すべて 2005 2004 2003 その他
すべて 雑誌論文 (15件) 図書 (2件) 産業財産権 (2件) 文献書誌 (6件)
Nature Cell Biol. 6
ページ: 1229-1235
Genes Dev. 18
ページ: 3055-3065
Dev.Cell 6
ページ: 661-672
EMBO J. 23
ページ: 2116-2125
ページ: 659-669
Dev. Cell 6
Mol.Cell.Biol. 24
ページ: 8386-8394
Nature Cell Biol. 5
ページ: 28-37