研究課題/領域番号 |
15370065
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
有坂 文雄 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (80133768)
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研究分担者 |
金丸 周司 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (50376951)
武田 茂樹 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80282854)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
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キーワード | 蛋白質 / バクテリオファージ / 分子機械 / 分子認識 / 分子集合 / 感染 / 超遠心分析 / X線結晶構造解析 / 微生物 / 超分子構造 / リゾチーム / テイルリゾチーム / 収縮姓尾部 / 感染機構 / バクテイオファージ / T4ファージ / プロセッシング / 蛋白質工学 / T4類縁ファージ / βヘリックス |
研究概要 |
本研究は、バクテリオファージの収縮性尾部を対象として、ナノマシーンとしての尾部の分子集合機構および作動原理を分子・原子レベルで明らかにしようとするものである。3年間の成果のうち、特に重要なものは以下の通りである。 パーデュー大学ロスマン教授のグループとの共同研究により、尾部収縮後の構造が電顕画像からの3次元像再構成によって明らかになった。収縮後の低分解能の電子密度にもこれまでに決定された7つの蛋白質の高分解能構造が無理なくあてはまったことにより、構造変化では個々のサブユニットの構造は大きく変化せず、主に配置変換によってマクロな構造変化が起こっていることが明らかである。さらに、この構造変化の主役を担っているのがgp10で、この蛋白質が長軸に関して回転することにより、それまでgp12(小尾繊維)に結合していたgp11が尾繊維(gp34)に結合することが分かった。 テイルリゾチームgp5はプロセッシングを受けて351残基目のセリンのC端で切断されるがこれをロイシンに置換したgp5は切断が起きないことが分かったので、この変異体を調整して構造決定を行うことが出来た。その結果、これまで明らかでなかった切断部位周辺の15残基の構造が明らかになり、また、隣のサブユニットから出ているペプチドが基質認識部位を占拠することによってリゾチーム活性を抑制している現象は切断の結果ではなく、切断以前に起こっていることが分かった。 T4類縁ファージKVP40のテイルリゾチームgp5の単離・性状解析およびgp27対応蛋白質の発見:テイルリゾチームgp5はリゾチームドメイン・C末端β-helixを含む特異な構造を有し、N末端ドメインでgp27と結合し、gp27を介して基盤と結合している。T4近縁のファージではgp5のドメイン構造は良く保存されているが、遠縁になるに従って類似性が低くなる。KVP40のgp5ではリゾチームが欠損している。このgp5をクローニング、発現、単離して、性状解析を行ったほか、通常のbalst検索では検出されないが、ORF334を候補と考えてクローニング・単離・精製を行ったところ、この蛋白質がgp5と強く結合することが確認された。
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