研究課題/領域番号 |
15370068
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河村 悟 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (80138122)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2004年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2003年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | 桿体 / 錐体 / 視物質キナーゼ / トランスデューシン / 視細胞 / 光感度 / 視物質 / リン酸化 / キナーゼ / 光応答 |
研究概要 |
1.錐体での素早いリン酸化の実時間での測定 錐体での視物質のリン酸化は桿体でのリン酸化とは異なり、手動では検出できないほど早い。光照射後、ミリ秒単位で強酸を滴下し、反応を迅速に停止する装置を作成して測定した結果、錐体では視物質のリン酸化は光照射後10-20ミリ秒位から開始し、半分量のリン酸化に約250ミリ秒かかることが明らかになった。光受容した錐体視物質に2コ程度のリン酸化が生じた時、電気応答は終息し始めたことから、リン酸化が光応答の終息に必須であることが証明された。 2.錐体での素早いリン酸化をもたらす分子種の同定 錐体での素早いリン酸化は、錐体視物質がリン酸化されやすいのではなく、錐体の視物質キナーゼであるGRK7の活性が桿体のキナーゼ(GRK1)の活性より100倍も高いためであることが明らかになった。 3.錐体での素早いリン酸化をもたらす理由 錐体での高いGRK7活性はGRK7 1分子の活性(比活性)がGRK1のそれより10倍高いこと、また、GRK7の発現量がGRK1の10倍量発現していることによることが判った。 4.視物質リン酸化の光強度依存性 種々の光強度で視物質リン酸化を桿体と錐体とで比べた。その結果、桿体では弱い光強度でリン酸化が飽和したのに対して錐体では光強度が増加するにつれリン酸化量が増大した。桿体の電気応答は光で飽和しやすく、錐体では非常に強い光でも応答が飽和しない現象が知られている。錐体での高いGRK7活性のお陰で視物質が素早くリン酸化され、不活性化されるので、錐体では電気応答が飽和しにくいと説明できる。
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