研究課題/領域番号 |
15380008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 基礎生物学研究所 (2004-2005) 岡崎国立共同研究機構 (2003) |
研究代表者 |
寺田 理枝 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 助手 (30137799)
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研究分担者 |
栂根 一夫 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 助手 (50343744)
飯田 滋 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 教授 (30012777)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
15,800千円 (直接経費: 15,800千円)
2005年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2004年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2003年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | ポストゲノム / Waxy / イネ / 遺伝子ターゲティング法 / アルコール脱水素酵素 / 沼面 / Cre / loxP / 遺伝子タギング / 遺伝子ターゲティング / ゲノム改変 / T-DNA / 相同組換え / 部位特異的組換え / Adh遺伝子 / エクトピック・ターゲティング / アルコール脱水素酵素遺伝子 / ポジティブ・ネガティブ選抜法 / Adh1 / Adh2 |
研究概要 |
ポストゲノム時代におけるイネの逆遺伝学を以下のように進めた。1)遺伝子のターゲティング:イネで成功したWaxy遺伝子のターゲティング法を基本として、ターゲティング法の汎用化に向けて、基本技術となったアグロバクテリウムによる超高頻度形質転換法と強力なポジティブ・ネガティブ選抜法の詳細についての解析を行い、手法の改良を進めるとともに、Waxy以外の遺伝子のターゲティングを試みて、遺伝子ターゲティング法のゲノム改変への応用についての情報を得ることを主要な目的とした。更なる目的として、ゲノム改変欠失改変を試みた。また、遺伝子の発現を部位特異的組み換えによって自在にON/OFFするシステムを構築することも試みた。第二のゲノム改変モデル遺伝子として、1遺伝子として存在するWaxyに対して、4コピーの重複遺伝子として見出されている、冠水ストレスに関わるアルコール脱水素酵素(Alcohol dehydrogenase : Adh)遺伝子のなかで、第11染色体に30kbを隔てて同方向で位置する、Adh1とAdh2について個別にターゲティング改変を試みた。その結果、本ターゲティング法はWaxy遺伝子に特殊な組換えを反映したものではなく、充分に汎用性のあるものである、との結論に到達しつつあり、現在、主要なデータをまとめるべくさらに詳しい解析を行っている。これらの実験を通して、T-DNAの挿入を介した相同組換えの留意すべき特徴を見出すことが出来た。またターゲティング手法の技術的改良についても、ベクター構築の簡便化、ターゲティング形質転換の効率化等の成果を達成することが出来た。ゲノム欠失改変については、Adh1とAdh2の中間領域30kbの大規模欠失を試み、これまでのターゲティングとは異なる組み換えが生じていると推測される予備的結果も得られ、今後も詳しい解析を進めることで、イネの相同組み換えに関する分子基盤の理解をさらに深めることが出来るものと期待している。部位特異的組み換えによる遺伝子発現ON/OFFシステムについても、Waxyターゲティング個体を用いてCre/loxPによる組み換えを行い、予備的ではあるが良好な結果を得つつある。2)遺伝子タギング:本課題では異変性を示すヴィルレッセント変異イネから、新規のAc/Ds型の非自立性のトランスポゾンを同定することが出来た。このトランスポゾンは活性な自立性トランスポゾンを持つ系統と交配し、さらに自殖後代での分離体を得ることにより転写活性を制御できる唯一のイネのトランスポゾンであるため、培養変異を全く伴わない新しい遺伝子タギング系を構築できるものと思われる。
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