配分額 *注記 |
15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2003年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
近年、モデル実験植物であるシロイヌナズナではゲノムの全塩基配列が明らかになったことから、遺伝子の機能を明らかにすることを目的とした、ファンクショナルゲノミクスが研究の主流となっている。一方、園芸作物ではゲノム解析が端緒についたばかりであり、多種多様な園芸作物においてゲノムの全塩基配列が明らかになり、シロイヌナズナのようなファンクショナルゲノミクスが進展することは容易でない。したがって、なんらかのモデル園芸作物による先導的な研究が必要となる。特に、果樹や果菜のモデルとしてシロイズナズナは適当ではなく、新たなモデル園芸作物の設定が重要である。 トマトは産業的に重要な作物であるばかりでなく,形質転換が比較的容易で,生理生化学的知見が豊富であり,また10万あまりのESTデーターベース(mRNAの配列のデータベース)が存在するなど,モデル園芸作物としての要件の多くを満たしている.問題点として,植物サイズが大きいことと世代交代速度が遅い点があったが,本研究で用いるマイクロトムは、栽培トマトとほぼ遺伝的(2遺伝子のみ異なる)に同等なミニチュアトマトで、草丈5〜10cm程度と狭いスペースで多数の個体を栽培できる。世代交代速度も栽培品種の約2倍と速く、形質転換効率も高いなど、分子遺伝学的アプローチに適している。このマイクロトムをモデル園芸作物として明確に設定する点が本研究の特色の一つである。 本研究では、マイクロトムを用いた形質転換によるプロトンポンプの機能解析や病原微生物に対する応答の解析などを通して、マイクロトムのモデル園芸作物としての有用性が確かめられた。またそれに付随して、果菜類、果樹などの各種園芸作物における解析も行うことができた。将来的には、検証されたファンクショナルゲノミクスの手法や得られた有用遺伝子についての情報が、多様な園芸作物において広く応用されることが期待できる。
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