配分額 *注記 |
6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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研究概要 |
ソース葉で光合成によって生産された糖は,スクロースとして籠管を経由してシンクである果実に輸送される.果実へ流入する水の大半は節管経由であると考えられている.そのため,果実の糖濃度は節管液の糖濃度に大きく依存すると予想される。本研究では,トマトを材料に用い、師管液糖濃度を測定する方法を開発するとともに、師管液の糖濃度と果実糖濃度との関係を、明らかにすることを目的とした. 本方法は、切断された果柄の切り口を直ちにEDTA溶液に浸すと、カルシウムがキレートされて維管束を塞ぐカロースの形成が阻害され、師部液が流出し続けることを利用したものである.まず、果実を切り落とした切り口を,細胞膜非透過性の蛍光色素(HPTS)を含むEDTA溶液に浸し,流出液(導管液+篩管液)を回収した.次に,ヒートガードリングにより篩部輸送を阻害した後,再び流出液(導管液)を回収した.HPTSの吸光度の変化から,流出液量を定量した,この方法により0〜50μL程度の師管液が定量的に回収され,流出した糖の量から師部液の糖濃度を決定した。ただし、現段階では植物の状態により再現性がなく安定して液を回収するまでには至っていない.一方で、木部液は安定して回収することができ、木部液に高濃度に含まれるカルシウム濃度を決定することはできた.果実に含まれるカルシウム量を定量することにより、木部液の流入量を推定することが可能で、さらに師部液の流入量・師部液糖濃度を推定することができた。 ソース/シンク比を様々に変えた個体間で比較したところ、師部液糖濃度と果実の画形分含量との間に明らかな正の相関関係が認められた.このことは、果実糖濃度の決定において師部液糖濃度が主要な要因であることを示した。
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