研究課題/領域番号 |
15380039
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用昆虫学
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
安田 弘法 山形大学, 農学部, 教授 (70202364)
|
研究分担者 |
櫻谷 保之 近畿大学, 農学部, 教授 (80153964)
中村 寛志 信州大学, 農学部, 教授 (70123768)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2005年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
|
キーワード | 生物群集 / 外来種 / 分布拡大 / 種間相互作用 / テントウムシ |
研究概要 |
本課題研究は、日本と米国での侵入テントウムシを供試昆虫に、原産地と侵入地での野外調査と要因実験により、侵入種の定着と分布拡大に及ぼす機構を侵入地と原産地での対象種とその天敵や在来種との種間相互作用に焦点を当て解明し、今後の侵入種の分布拡大について予測した。特に、(1)捕食性ナナホシとナミの侵入地米国での在来種への影響、(2)捕食性フタモンの侵入地大阪での在来種との種間相互作用、(3)捕食性ハイイロテントウの侵入地沖縄での在来種との種間相互作用、(4)植食性インゲンテントウの原産地グアテマラ個体群と侵入地長野個体群の死亡要因の比較と侵入地での分布拡大の4点を解明した。 その結果、アジアから米国やヨーロッパに侵入したナミは攻撃的で広食性であることから、特に侵入地でナミと生息場所が類似している在来種の個体数は、ナミによる捕食で激減し、ナミは米国などの侵入地で分布を拡大する可能性が高いと考えられた。また、日本に侵入したフタモンは生息場所が類似するナミにギルド内捕食されることから、日本でその分布を急激に拡大する可能性は低いと思われた。さらに沖縄に侵入したハイイロは、餌や生息場所をめぐり競争する可能性があるダンダラテントウの個体数が少ないことから、この種との競争は強くはないと考えられた。それゆえ、侵入植物のギンネム及び侵入害虫のギンネムキジラミの分布拡大に依存して、ハイイロは南西諸島で分布を拡大するかもしれないと思われた。日本に侵入した植食性インゲンテントウは、土着寄生蜂による寄生率が高く、この寄生蜂は、侵入害虫に対して効果的に密度抑制機構として働いていることから、インゲンテントウの分布拡大を抑制する高い効果をあげていることが判明した。これらの結果から、インゲンテントウの分布拡大は土着寄生蜂の寄生によりかなり抑制されており、今後、本種が長野県などで急速に分布を拡大する可能性は低いと考えられた。
|