配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
精巣特異的ポリAポリメラーゼTPAPは,特定mRNAの球状精細胞特異的なポリA鎖伸長に関与している。その欠損マウスでは,精子核や鞭毛などの形態形成にかかわる遺伝子の転写量が著しく低下しており,精子形成が球状精細胞の段階で停止する。TPAP欠損による精子形成不全の分子基盤と特定mRNAのポリA鎖伸長機構について検討し,次のような研究成果を得た。 1.TPAPを過剰発現するマウス精巣でもmRNAポリA鎖が通常の長さしか伸長されないので,ポリA鎖を一定の長さで停止させる機構が存在することを明確にした。 2.TPAPは,減数分裂後の精子形態形成に関与するタンパク質(プロタミンやTP1,Fsc1など)と転写因子群.(TFIIAγ,CREMτ,およびTAF10など)をコードするmRNAと相互作用しており,TPAPのmRNA認識に選択性があることを見いだした。 3.CPEB2は精巣で高発現しておりTFIIAγやTRF2のmRNA 3'非翻訳領域へ結合したので,TPAPと共同でmRNAポリA鎖伸長に関与していることが示唆された。 4.ポリA鎖結合タンパク質PABPC1は,TFIIAγのmRNA3'非翻訳領域にポリA鎖が存在するときに結合した。TPAPはポリA鎖の有無にかかわらずその非翻訳領域には結合していなかったので,TPAPはTFIIAγのmRNAへ直接的に結合せず,何らかの複合体として相互作用していることが示唆された。 5.TPAPと相互作用する分子の同定を試み,ヘリカーゼの一種であるRecQLが同定された。TPAPとRecQLの直接的な結合も明らかにした。
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