研究課題/領域番号 |
15380074
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用生物化学
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
渡邉 啓一 佐賀大学, 農学部, 教授 (40191754)
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研究分担者 |
本島 浩之 佐賀大学, 農学部, 助手 (20312275)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
16,100千円 (直接経費: 16,100千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | 低温適応酵素 / ズブチリシン / 酢酸キナーゼ / 乳酸デヒドロゲナーゼ / 酵素構造の柔軟性 / 好冷細菌 / Trematomus bernacchii / 結晶構造解析 / 結晶構造 / Pseudoalteromonas / 低温プロテアーゼ / サチライシン / X線結晶構造 / ゆらぎ / タンパク質工学 / X線結晶構造解析 / 構造ゆらぎ / ドメイン構造 / Pseudoalteromonass |
研究概要 |
南極海氷下に生息する好冷微生物や変温動物由来の低温適応酵素は、一般に至適温度が中温生物酵素より低く、低温で高い比活性を示す。本研究では、南極産の好冷細菌(Shewanella sp.)由来のズブチリシン様プロテアーゼ、酢酸キナーゼ及び魚類ショウワギス(Trematomus bernacchii)由来の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の構造と機能及び安定性を解析し、相同な中温酵素と比較した。その結果、これらの低温適応酵素は何れも、酵素反応に必要な構造の柔軟性を高めることによって、活性化エンタルピーを下げ、高い低温活性を示すことが明らかになった。さらに、中温酵素ズブチリシンの活性部位外のターン構造の柔軟性を高める部位指定変異により、活性を上昇させることに成功した。 1.好冷細菌由来ズブチリシン様プロテアーゼApal。ApalのX線結晶構造を明らかにした。Apal分子全体は、ズブチリシンに相当する触媒ドメイン(293残基)とβ8-β9ストランド間に挿入されたドメイン(148残基)からなる。挿入ドメインの温度因子は、触媒ドメインより顕著に高くよりゆらいだ構造をしており、さらに触媒ドメインと挿入ドメインの間でねじれが生じることが明らかになった。 2.好冷細菌由来酢酸キナーゼ。大腸菌由来の相同酵素と比較して酢酸に対する親和性が高く、低温になるほど高いK_<cat>/K_mを示した。塩橋や陽イオン-パイ相互作用の数が減少しており、より柔軟な構造をしていた。 3.ショウワギス由来LDH。コイLDHのX線結晶構造を明らかにし、ショウワギスLDHと比較した結果、分子表面に位置しているアミノ酸のGlyへの変異が、ショウワギスLDHの低温活性に必要な構造ゆらぎと関係がある可能性が得られた。 4.ズブチリシンCaflsbergの部位指定変異。活性部以外のβ8-β9ストランド間のターン中のPro209をGlyに変異することにより主鎖構造の柔軟性を高めた結果、活性が上昇した。
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