研究課題
基盤研究(B)
申請者らは、臨床応用が可能な骨吸収抑制剤を得る目的で、破骨細胞の分化及び成熟破骨細胞の機能発現過程に作用する活性物質を微生物代謝産物中から探索し、リベロマイシン、メバスタチン、デストラクシンを見出した。本研究ではin vitroおよびin vivoにおいて破骨細胞の分化及び骨吸収機能に対するこれらの化合物の作用機構を検討した。破骨細胞に対するリベロマイシンのアポトーシス誘導効果は、破骨細胞のつくる酸性環境を破壊することによって減少した。またリベロマイシンの細胞死誘導効果が認められない細胞、破骨細胞の前駆細胞においても酸性培地においてはアポトーシス誘導効果が認められた。この結果から、リベロマイシンの活性化破骨細胞に対する選択性は、活性化破骨細胞がつくる酸性環境に由来すると考えられる。また骨粗鬆症モデル動物試験において、リベロマイシンは卵巣摘出後の骨吸収促進による骨密度の低下を抑制した。破骨細胞に対する選択性の高いリベロマイシンは新規な骨吸収抑制剤としての応用が期待される。メバスタチンは破骨細胞の分化誘導因子であるRANKL存在下でRAW264細胞から単核破骨細胞への初期分化を阻害した。メバスタチンの阻害効果はメバロン酸、ファルネシル2リン酸、ゲラニルゲラニル2リン酸の添加で抑制された。またゲラニルゲラニル転移酵素阻害剤はRANKLによる破骨細胞の初期分化を阻害したことから、破骨細胞の初期分化にゲラニルゲラニル化するタンパク質がかかわっていることが示された。デストラクシンEは破骨細胞の活性化に伴って形成するリング状の骨格を破壊し破骨細胞の骨吸収機能を阻害したが、卵巣摘出マウス個体においては骨吸収促進による骨密度の低下を抑制しなかった。
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