研究課題/領域番号 |
15380085
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物生産化学・生物有機化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
生方 信 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60168739)
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研究分担者 |
松浦 信康 富山県立大学, 工学部, 助手 (60281250)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | 3T3-L1細胞 / 脂肪細胞分化誘導 / PPARγ / PPARα / ミコフェノール酸 / プロシアニジン / HDAC / 分化誘導阻害 / プロアントシアニジン / セスキテルペノイド化合物 |
研究概要 |
我々は、マウス脂肪前駆細胞(3T3-L1細胞)のインスリン刺激による脂肪細胞への分化誘導調節物質の探索研究を行い、顕著な分化誘導阻害活性を示したキク科植物Calea urticifoliaの抽出液から7種のセスキテルペンノイド化合物を見出し単離構造決定並びにその作用を明らかにした。類似骨格を有するparthenolideと比較して、これらの化合物の作用に関して追求を行い、細胞毒性が低く3T3-L1細胞の脂肪細胞への分化誘導阻害活性が比較的高いcompound3を用いて、その作用を明らかにした。Compound3はシステインや蛋白質との非特異的結合が類似した骨格を持つpartenolideと比較して少なく、PC12細胞、U937細胞、K562細胞の分化誘導に対して顕著な阻害活性を示さず、インスリン刺激による脂肪細胞分化誘導に特異的な阻害作用を持つと結論された。次に、3T3-L1細胞ノインスリン添加による脂肪細胞分化誘導阻害活性が示唆されているプロアントシアニジンの系統的合成研究を行い、生物活性の測定を行った。脂肪細胞の分化誘導阻害活性に関しては、顕著な阻害活性を示す化合物を見出すことができなかったが、糖尿病合併症の発症に関与するMaillard反応阻害活性に関して活性を示す化合物を見出した。合成面では、特にリンカーを用いることにより制御の困難であった3,4-cis(+)-cathechin-(4β→8)-(+)-catechin dimerの合成に成功した事は特筆に値する。これにより、立体化学を制御した誘導体の合成が可能となった。また、3T3-L1細胞の分化誘導阻害活性物質として再発見したミコフェノール酸の作用に関して研究をおこなった。これまで、ミコフェノール酸はIMPデヒドロゲナーゼ(IMPDH)を阻害する事で、多様な生物活性を発現すると信じられてきた。しかし、高濃度のグアノシン類を添加しても脂肪細胞分化誘導阻害活性はなくならず、IMPDHの阻害剤として知られているオキザノシンに脂肪細胞分化誘導阻害活性がみられなかった事から、ミコフェノール酸の脂肪細胞分化誘導阻害活性はIMPDHを介していない事が強く示唆された。そこで、脂肪細胞の分化誘導に必須と考えられているPPARγに着目し、レポーター・アッセイおよびビアコアを用いてミコフェノール酸とPPARγとの相互作用を調べた。その結果ミコフェノール酸は確かにPPARγに結合する事が判明した。さらに、PPARγに対してリガンド活性を持つ誘導体の発見やヒストンデアセチラーゼ阻害剤への分子変換にも成功している。
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