研究課題/領域番号 |
15380097
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食品科学
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
有賀 豊彦 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50096757)
|
研究分担者 |
関 泰一郎 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (20187834)
熊谷 日登美 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (20225220)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2005年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2004年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2003年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
|
キーワード | diallyl trisulfide / colon cancer / apoptosis / tubulin / cell cycle / garlic / allyl sulfide / LC-MS / MS / cancer / cancer cell / histone deacetylase |
研究概要 |
本研究では、疫学により明らかにされているガーリックの抗がん作用を明らかにする目的でガーリックの香気成分であるallyl sulfideの構造と抗がん作用の関連、抗がん作用メカニズムについて研究を行った。 その結果、diallyl trisulfide(DATS)がカーリック中の抗がん作用を担う物質であることを明らかにした。フローサイトメーターを用いた各種測定によりDATSはヒト大腸がん細胞(HCT-15,DLD-1)の細胞周期をM期で一時的に停止させることが明らかとなった。さらにcaspase-3の活性化が認められ、細胞周期のアレストの後にapoptosisが誘導されることが示唆された。 DATSを添加して培養したDLD-1細胞の微小管形成を、蛍光免疫染色により観察したところDATSは微小管ネットワーク形成を阻害し、微小管の脱重合を促進する薬剤のcolcemidやvincristineと同様の微小管像を示した。精製tubulinを用いた検討から、DATSは直接tubulinに作用してその機能を阻害することが考えられた。そこで、DATSと共にインキュベートしたtubulinをトリプシン消化し、そのペプチド質量をLC-MS/MSにより測定した結果、理論的なペプチド質量に対して、分子量72.1付加されたペプチドが観察された。すなわち、計算上β-tubulinの12番目と354番目のcysteine残基がcysteine-SS-allylとなったペプチドが検出された。 HCT-15細胞を移植したヌードマウスに、DATSを尾静脈投与した結果、vehicle投与と比べ、摘出した腫瘍のサイズは1/3であり、腫瘍増殖の抑制が認められた。また、摘出した腫瘍にはより広範囲に壊死像が観察され、DATSはin vivoにおいても抗腫瘍効果を示すことが明らかになった。
|