配分額 *注記 |
16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2005年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2004年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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研究概要 |
本研究は,きのこの成分に着目し,きのこを利用する昆虫群集の特徴を捉え,その要因を解明することを目的とした。野外調査において,毒成分イボテン酸ならびにムッシモールを含むイボテングタケの訪茸群集相と羽化群集相に著しい違いがあることが明らかになった。前者は成熟から腐敗段階での誘因・寄生が認められ,後者は幼菌段階から誘因・寄生が認められた。特に,ショウジョウバエ科昆虫は訪茸群集相ならびに羽化群集相の両方に共通する昆虫群であるが,それぞれの群集によける種構成が明らかに異なっていた。そこで訪問群集と羽化群集の種構成の違いが毒成分によるものか否かを実験的に証明することを試みた。羽化群集を特徴付ける菌食性のショウジョウバエDrosophila bizonata, D.angularis, D.brachynephros,ならびに訪茸群集相を特徴付ける種としてD.immigransさらには果実食性のD.melanogasterを供試し,それぞれの種をイボテン酸もしくはムッシモール含有人工飼料を用いて卵から飼育した。実験の結果,菌食性ショウジョウバエ科3種はきのこに含まれているよりも高いイボテン酸濃度(500μg/g)においても成長に影響を受けないことが示された。しかし,D.immigransならびにD.melanogasterではイボテン酸によって艀化ならびに成長・蛹化がつよく阻害されることが明らかとなった。また,D.immigransは,D.melanogasterに比べイボテン酸に対し,やや耐性を示すことが明らかとなった。以上の実験結果より,イボテングタケを利用する昆虫群集のうち羽化群集はきのこが持つ殺虫成分に対して耐性機構を獲得していることが明らかとなった。また,イボテングタケを利用する昆虫相は毒成分イボテン酸によって制限されていることが示唆された。
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