配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2003年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
枝・幹の詳細な調査から,北米の450年生ダグラスファーでは樹冠における枯死枝現存量は生枝現存量の約1/4に相当する2.60〜5.56t ha^<-1>と推定された。樹冠から地上に供給された枯死材は年間30.88t ha^<-1>であった。本邦広葉樹二次林の調査では,主軸直径が30cmを越えると枯死枝の直径は約10〜20cmで最大値に達し,一定の基部直径以上に成長しない2次枝が枯死することがわかった。数種広葉樹の枝の直径頻度分布は樹種の違いに拘らずべき乗式で近似できた。落枝の着生枝に対する割合3〜10%であった。 同じ広葉樹二次林の枯死材現存量は9.3tC ha^<-1>であり,地上部現存量の21%を占めていた。また,温度と含水率,枯死材の基質特性を変数とした枯死材呼吸のモデルから森林全体の年間枯死材呼吸量は0.5tC ha^<-1>と推定された。倒伏木の呼吸量は立枯木の3倍にも達していた。根呼吸について根径ごとの根呼吸を推定したところ,全根量の約15%を占める直径2mm以下の細根が全根呼吸量の6割以上を占めていることがわかった。年間の土壌呼吸量は9tCであり,そのうち根呼吸の土壌呼吸に占める割合は18.7〜59.8%と大きな季節変動を示したが,年間では47%であった。 同じ林分で水溶性有機物の調査を進めた結果,土壌における水溶性有機物の保持量はA層で最も多いこと,保持される有機物は芳香族性や脂肪族性に富む疎水性成分であること,リター層から下層への移行に伴い多糖性に富む成分は微生物分解を受けて減少することを明らかにすることができた。水溶性腐植物質の化学構造特性の変化は季節よりも下方移動による変化が顕著であり,表層部では微生物分解,下層部では配位子交換反応による土壌吸着が主因であった。土壌に集積している土壌腐植酸の全土壌有機物に占める割合は15〜16%であり,水溶性腐植物質の7〜24倍量であった。
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