研究課題/領域番号 |
15380110
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00231150)
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研究分担者 |
溝上 展也 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00274522)
吉田 茂二郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80128462)
作田 耕太郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (10274523)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | 種多様性 / 人工林 / 機能タイプ / 施業法 / 林齢依存性 / GIS / 森林資源モニタリング / 絶滅危惧種 / スギ人工林 |
研究概要 |
1.暖温帯域のスギ人工林の下層植生に出現した木本植物種について、それぞれの種の出現傾向を規定する要因を分析した。人工林に偏って出現する種の多くは開地性の落葉樹であり、森林性の常緑樹は人工林の林齢に強く依存すること、光環境に依存する種の多くは人工林型の落葉樹であること、重力散布型の種子を持つ植物が天然林の隣接の有無に影響を受けることが明らかとなった。この結果を用いて異なる森林管理を想定した下層植生のシミュレーションを行った結果、伐期延長や天然林との隣接によるパッチモザイク化などの長期的な林相改良は下層植生の保全に有効であることが示された。一方、間伐による光環境の改善は短期的に行えるものの、単独では森林性植物の保全や再生に限界が有ることが示された。これらの予測は、小面積皆伐あるいは帯状伐採による異齢林の下層植生の把握および広域で実施されている森林資源モニタリングのデータ解析を通して検証した。 2.センサーカメラを用いて、スギ人工林景観における哺乳動物の森林空間の利用頻度を調査した。その結果、林冠層の樹種の違いで哺乳動物による利用頻度に大きな差は見られず、むしろ下層植生の繁茂度合いが影響していた。また、天然林および開地からの距離などのランドスケープ構造の影響は林分構造の影響よりも強く哺乳動物による森林利用を左右していることが明らかとなった。 3.人工林の下層植生の森林再生におよぼす役割を、大面積の再造林放棄林分の調査および実験的手法で明らかにした。 4.人工林が卓越する森林景観において、修復すべき生物多様性のモデルとなる自然植生について、微地形に対応した樹種分布パターンの解析、希少種の分布を考慮した半自然林の再配置戦略の構築および潜在植生分布の広域推定行った。
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