研究課題/領域番号 |
15380114
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学・森林工学
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
酒井 正治 独立行政法人森林総合研究所, 九州支所, 主任研究員 (00353699)
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研究分担者 |
小林 政広 独立行政法人森林総合研究所, 立地環境研究領域, 主任研究員 (50353686)
岡田 直紀 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40335302)
村野 健太郎 国立環境研究所, 大気圏環境領域, 総合研究官 (40109905)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
2006年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 黄砂 / 乾性降下物 / エアロゾル / SO_2ガス / 硫黄同位体比 / コジイ林 / 樹幹流 / 林内雨 / 樹間流 / 林外雨 / コジイ / トレーサー試験 |
研究概要 |
本研究では、黄砂の森林への影響を評価するとともに、硫黄同位体比の違いをマーカーとして硫黄酸化物を識別し、その起源の特定および酸性化の寄与率を推定することを目的とする。 全期間の成果の概要は以下の通りである。 1、雨水中の平均硫酸イオン濃度は,林外雨(1.6mg/L),林内雨(3.8mg/L),樹幹流(6.4mg/L)の順に高くなった。一方硫黄同位体比は林外雨(4.2‰),林内雨(3.6‰),樹幹流(2.4‰)の順に値が小さくなり、硫酸イオン濃度と硫黄同位体比は逆の傾向を示した。このことは森林内を流下する林内雨,樹幹流に硫黄同位体比の小さい硫酸イオンが徐々に負荷されることを示唆した。2、物質収支モデルを使って硫黄化合物の乾性沈着量を推定した結果、森林に負荷される酸性降下物(湿性+乾性)の約6割が乾性降下物由来であると推定された。3、このように乾性降下物の割合が高いことから、乾性降下物(エアロゾルおよびSO_2ガス)の硫黄同位体比を調べた所、それぞれ4.29‰、0.1‰となり、SO_2ガスの同位体比は非常に低い値を示した。このことは樹幹流、林内雨の硫酸イオンの起源は降水やエアロゾル以外にガス物質が大きく関与していることを示唆した。4、黄砂飛来は長期増加傾向が認められ、特に北京で最大の黄砂を観測した2002年春の黄砂飛来時には大気採取フィルターは黄色を呈した。黄砂飛来時のエアロゾルのCa^<2+>濃度は20〜70nmol/m^3となり、通年観測値(20nmol/m^3以下)より高い値を示した。さらに、黄砂時のエアロゾル濃度(重量基準)は夏の3倍高い濃度を示した。5、黄砂飛来時の林外雨、林内雨、樹幹流の成分濃度は全ての成分で非黄砂飛来時より高い値を示し、森林環境への影響が認められた。
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