研究分担者 |
青木 宙 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (00051805)
荒井 克俊 北海道大学, 大学院・水産学研究科, 教授 (00137902)
中山 一郎 (独)水産総合研究センター, 中央水産研究所, 主任研究員
坂本 崇 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (40313390)
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配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2005年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2004年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2003年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
従来のヒラメ解析家系に加えて、DNAが配布可能な新規のヒラメ基準家系を作出し、両者の統合を図った。新規基準家系において199マーカー座と5SrRNA遺伝子の合計200マーカー座を用いた遺伝子連鎖地図を作成した。マッピングに用いられたうちの107マーカー座は新規開発したものである。その結果,雌の遺伝子連鎖地図で160マーカー座、雄の遺伝子連鎖地図で168マーカー座の遺伝子連鎖地図を作成することが出来た。雌の遺伝子連鎖地図上の71マーカー座,雄の遺伝子連鎖地図上の62マーカー座は,従来の解析家系による遺伝子連鎖地図上にもマッピングされており,2つの遺伝子連鎖地図を統合する際にアンカーのマーカー座となることが期待された。また,シンテニーに利用できるランドマーク遺伝子としての5SrRNA遺伝子のマッピングにより,5SrRNA遺伝子座は連鎖群24にあることが明らかとなった。 作出した新規基準家系において,遺伝子連鎖地図のさらなる詳細化を行った。新規開発したマイクロサテライトマーカーなどの新規マッピング,ESTマーカーのマッピング,および平成16年度まで用いていた解析家系における遺伝子連鎖地図との統合の結果,マイクロサテライトマーカー400マーカー座とESTによるSNPマーカー144マーカー座,およびMHC遺伝子座,5SrRNA遺伝子座の合計546の座位を用いた遺伝子連鎖地図を作成することが出来た。なお,MHC遺伝子領域のBACクローンの塩基配列から開発したマイクロサテライトマーカーのマッピングにより,MHC遺伝子座は連鎖群13にあることが明らかとなった。 また、ヒラメの染色体数は2n=46と2n=48との報告があり、混乱していたが、北海道、岩手県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、神奈川県、石川県から採取した40個体を精査した結果、いずれも2n=48であり、ヒラメの染色体数は基本的には2n=48であると考えられた。また、基準家系の用いたヒラメも2n=48であった。 今後の問題点として、新規マイクロサテライトマーカーの開発,マッピングによるさらなる遺伝子連鎖地図の詳細化(高密度化)が必要であると考えられる。また,フグやメダカなどの連鎖地図との詳細なシンテニー解析のためには,MHC遺伝子や5SrRNA遺伝子の様に,それぞれの遺伝子連鎖地図のアンカーポイントとなる遺伝子領域のマッピングの推進が重要である。 なお、本成果の育種への応用として、QTL解析によるヒラメのリンホシスチス病抵抗性に関する原因遺伝子座の推定を行い、同病の発症抑制と強く連鎖するDNAマーカーを得たことを付記する。
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