配分額 *注記 |
7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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研究概要 |
本研究では,効率的除塩法として,リーチングに先立って乾燥過程を効果的に組み込む方法と,資材を土壌に混合して予め透水間隙を確保する方法の2つの方法について基礎的および応用的検討を行った。これらの方法を児島湖底泥脱水ケーキ,諌早湾干拓地土,中国内蒙古河套灌区土などの塩性土を対象とした室内実験を通じて検討した。 乾燥が塩分溶出を促進する機構を検討した結果によると,塩分溶出促進は,乾燥による土塊表層への塩分集積ばかりでなく,土壌構造の安定化と土塊内部での拡散速度増大にもよることが明らかになった。最大スレーキング含水比で塩分溶出が最大となったことから,この含水比までの乾燥が除塩に有効であることを明らかにした。 リーチングの進行に伴い浸透性が低下し,除塩の進行を著しく停滞させる事実が知られている。透水間隙を確保するために,土壌改良資材および石膏を塩性土壌に混合して,その効果をリーチング実験で確かめるとともに除塩促進機構を検討した。バーク堆肥,木炭が透水性の改善とリーチング能率向上に優れることが分かった。その効果は膨潤的で分散的な諌早湾干拓地土よりも,河套灌区土で優れていた。石膏は透水性の維持,Na排除率増大の両方の効果があった。 圃場乾燥が干拓地土層の除塩および熟土化に及ぼす効果を,諫早湾干拓地の経年的な土壌調査を通じて分析し,圃場乾燥工法の一つである全面反転耕紀の有効性を明らかにした。乾燥地土の除塩改良に関しては,中国内蒙古河套灌区を対象に,灌漑水から排水に至る水路系中の陽イオン組成および土壌中の陽イオン組成の分析を行って,塩分動態を把握した。あわせて,塩害地改良法の実証試験を行い,表層排土法,石膏の効果を確認した。
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