研究分担者 |
沖 陽子 岡山大学, 大学院環境学研究科, 教授 (30127550)
永井 明博 岡山大学, 大学院環境学研究科, 教授 (80093285)
近森 秀高 岡山大学, 大学院環境学研究科, 助教授 (40217229)
中嶋 佳貴 岡山大学, 大学院環境学研究科, 助手 (50304340)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
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研究概要 |
法面被覆植物の土壌侵食抑制機能はその生活型の相違によるとの観点から,被覆植物の生活型が土壌侵食抑制に及ぼす効果を検討した。実験は,傾斜10度のマサ土法面において,2m(W)×5m(L)の試験枠を設置し,下端に設置した導入板と貯水槽により,降雨毎の表面流去水並びに土壌侵食量を実測した。法面被覆植物としては,厳しい環境への適応力が高いと考えられ,かつ生活型の異なるギョウギシバ,ダイコンドラおよびヨモギの3草種を供試し,対照区としての裸地区と比較した。 得られた結果は以下の通りである。 (1)危険降雨期は5月〜11月であり,年降雨量が少ない場合でも,3mm/10min以上の降雨の頻度が高ければ,土壌侵食量は多くなる。 (2)対照区としての裸地区の土壌侵食量はわが国の許容量の限界値であったが,ヨモギ区とギョウギシバ区においては,許容量以下の侵食量であり,法面被覆植物の土壌侵食軽減効果が確認・定量化できた。草種間では,直立型のヨモギが優れていた。この傾向は,以下の現象も同様であった。 (3)この効果は,植物体の根系による土壌間隙の増大や植物体から供給される有機物分解(腐植)による土壌団粒の形成等による粗間隙の増大のために,降雨の降下浸透量の増大,地表面流去水の減少が生じることを明らかにした。 (4)また,腐植の増大は土壌のCECを増大させ,土壌構造のさらなる発達と,土壌環境を法面被覆植物の生育に適するものに改善する効果がある。 (5)法面被覆植物による酸性雨のpH軽減効果が認められ,土壌侵食抑制効果のみならず,大気環境悪化の生態系への影響を軽減する効果も確認できた。
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