研究分担者 |
堤 聰 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (40092275)
杉浦 敏弘 (杉浦 俊弘) 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (30146518)
馬場 光久 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (70286368)
齋藤 宗勝 盛岡大学, 短期大学部, 教授 (70133254)
谷口 建 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (80077122)
小河原 孝生 生態計画研究所, 所長
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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研究概要 |
本研究期間中にラムサール条約の登録湿地となった仏沼干拓地における環境教育牧場設置構想を実現させるためには,湿地での草地造成工法の創出,現存する野生生物生息域の維持管理技術およびビオトープの創出技術の確立,環境教育牧場としての維持管理・運営方法の確立などの課題を解決しなければならない。本研究は,これらの課題について実証することを目的としている。 仏沼干拓地は周りの水田より標高が低く,灌概期を中心に地下水が高くなるため,強制排水が必要となっている。第一期草地造成区における支線排水路および小排水路(明渠)が2002年度に施工され,2003年度に暗渠排水路が施工された結果,暗渠からの排水により小排水路の水位は2003年に比べ,2005年に高くなり,地下水位の低下も顕著となり,暗渠排水路により土壌の乾燥がされ,維持されることが実証された。これによりヨシの生長は抑制され,イネ科牧草の生長は良好になることが確認された。 ディスクハローによるルートマット破砕によりできた溝に落ちる種子の数が増え,発芽率が向上するとともに根の伸長に有利となる効果があった。さらに,不耕起造成の初期の段階に通常の2倍(6頭 ha^<-1>)の強放牧を行うことで,ヨシの再生が抑制され,牧草の定着率が向上することで,適した放牧地が創出できることが示された。造成された草地はオオセッカの新たな利用場所となりうることが示された。また今後の課題もあるものの,火入れのヨシ群落に対する影響やこれを利用するオオセッカなどの生物相について新たな知見(ヨシ群落の下繁草の重要性など)が得られると共にオオセッカ以外の希少な生物相の生息が確認された。さらに,エスコーター養成などにより環墳教育牧場としての維持管理・運営方法の確立に向けた下地ができたと考えられる。保全利用委員会の早期設立によりモニタリング調査およびグリーン・ツーリズムなどの活動がさらに推進されることを期待される。
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