配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2005年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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研究概要 |
近年,農産物の品質や安全性に対する消費者の要求が高く,収穫や選果段階での品質検査が重要な課題になってきている。特に,外観からは判断できない内部の品質検査が重要であり,高度化・多様化する消費者ニーズに応えるために,より精度の高い検査が求められる。 本研究は,これまでのVISに加えてUVやNIR領域でのハイパースペクトルイメージングによる分光画像法を用いて果実の内部情報である熟度,糖度,硬度等を検査する品質評価技術を明らかにするものである。特にイチゴ,トマトを対象に次の研究成果を得た。 1.イチゴの場合 1)VIR分光画像によるイチゴの糖度予測を試みた。高感度冷却CCDカメラに可変液晶フィルターを取り付け450〜650nmの範囲を2nm間隔に連続的に撮影した。取得した画像はピクセルごとに,輝度値から吸光度へ変換した。次に吸光度二次微分値を求めて,1波長〜5波長の検量線を作成した。その結果,5波長(510,650,644,626,598)による予測は,r=0.784,SEC=0.364の高い精度が得られた。 2)近赤外分光画像によるイチゴの糖度および硬度の予測を検討した。本実験では650〜1000nmの範囲を5nm間隔に連続的に撮影し,同様な波長の検量線を作成した。その結果,3波長による硬度の予測は5-10分着色果でr=0.786,SEC=0.350,5波長による糖度の予測は,7〜10分着色果でr=0.870,SEC=0.530の高い精度を得た。 2.トマトの場合 近赤外分光画像によるトマトの糖度予測を行った。本研究では650〜1100nmの範囲を10nm間隔に連続的に撮影し,同様な波長の検量線の作成を行った。5波長による着色度合毎の予測結果は,10分着色果でr=0.939,SEC=0.094の高い精度を得た。 以上より,ハイパースペクトルイメージングによる分光画像法は非破壊による果実の内部情報の品質評価検査に有効な技術であることが示唆できた。 研究成果は,権威あるアメリカ農業工学会から2004年と2005年の2年連続でEIT部門賞を受賞した。今後は,本成果を他の品目の農産物に応用していきたい。
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