配分額 *注記 |
15,100千円 (直接経費: 15,100千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2003年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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研究概要 |
(1)オーチャードグラスは東北北部から関東地域の各地で,裸地や路傍に自生集団を形成するが,その優占度は南東北からから低下する。東北,関東地域のアメダスの気象データが利用できる43箇所のオーチャードグラス自然集団の優占度を調査し,気候要因との関係を分析した。優先度は,8月の平均気温と9月の最高気温が最も高い相関を示し,夏が暑いというよりもむしろ,暑い夏が長く続くことがオーチャードグラスの優占度の低下に最も効いていることが分かった。 (2)オーチャードグラスとトールフェスク2種間の光合成の温度反応を調査した。ポット栽培した両種の植物を人工気象室で23℃から40℃まで2℃間隔で順次温度を上げ育成した。同じ温度で3日間順化をし,各温度処理の最終日に光合成を測定した。両種において,30℃以上の高温で光合成速度は温度に比例して低下した。Vcmaxは高温条件でも変化しなかったが,Jmaxは高温下で低下した。Jmaxの低下は,光化学システムIIの活性低下と強く関係していた。このことから,オーチャードグラスとトールフェスクの高温条件下での光合成速度の低下は,光化学システムIIの機能低下に起因することが明らかとなった。 (3)オーチャードグラスの分布南限の集団が衰退する原因として,個体数の減少による,遺伝変異の減少とそれに伴う近交弱勢の発現が考えられる。そこで,集団の衰退が起きている仙台以南の7集団と,東北北部7集団間で,アイソザイムの遺伝変異の多型性を比較した。アイソザイムは5酵素7遣伝子座を用いた。南限集団は北東北の集団に比べ種子不稔率は有意に高かったが,両集団にはどの遺伝子座においても,アイソザイム遺伝変異量に差は見られず,南限集団には遺伝変異の減少が起きていないことが明らかとなった。
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