配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2005年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2003年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
【目的】アレルギーは,腸管を介する免疫機能の異常(Th1/Th2アンバランス)が原因となり,現代病として大きな社会問題になっている.本研究は,これまでの知見を基礎とし,プロバイオティクスDNAによる新規機能性食品"アレルギー発症予防食品"の創成を目指した,戦略的基礎研究を行うことを目的とした.具体的には,ヒトモデルとして期待されるブタ腸管におけるTLR9の発現解析を行い,強制発現細胞を用いた分子免疫評価法の確立から,アレルギー防御に関連する免疫刺激性DNAについて詳細に評価した.さらに,アレルギーモデル系におけるin vivo試験を行い,プロバイオティクスDNAのTLR9を介するアレルギー発症防御の可能性について検討した. 【成果概要】ブタ腸管におけるTLR9の機能発現を解析し,M細胞における強発現を見出した.ブタTLR9発現細胞を構築し,プロバイオティクスDNAの分子免疫評価法を確立した.確立した評価法を用いて,プロバイオティクスDNAの分子免疫応答を検討することにより,TLR9のリガンドには,CpGを一次配列に含まないオリゴデオキシヌクレオチド(AT-ODNと命名)が存在することを発見し,Th-1,Th-2系のサイトカイン産生から,抗アレルギーの免疫機能性を詳細に追究することができた.さらに2次構造解析の結果から,活性増強には,6塩基ループとステム内に5'-C...G-3'構造が必要であることを発見した.アレルギーモデル系のin vivo試験から,ビフィズス菌由来ODNが,経口投与でアレルギー発症予防に有効であることが初めて示され,新規機能性食品の開発の基礎となった.本研究成果により,プロバイオティクスDNAによるアレルギー発症防御機能が明らかとなり,関連産業の発展が大いに期待された.
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