配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2003年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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研究概要 |
プリオン病の治療に効果があることが報告されているポリエン系抗生物質のamphotericin B(AmB)が,ミクログリアの機能にいかなる影響を及ぼすについては不明である。プリオンペプチド(106-126)(PrP)の刺激により培養ミクログリアのNO産生が誘導されるが,AmBの刺激によってもNO産生が誘導された。AmBとPrPの同時刺激の場合,AmBによるNO産生が増強された。このことはAmBとPrPには相互作用があり,それによりミクログリアの細胞機能が変化することを示唆している。AmBのプリオン病治療薬としての作用機序を解明するにはこの相互作用の詳細解明が重要である。 正常プリオン蛋白の機能は確定していないが,SODの必須金属である銅の細胞内外輸送に関わるとされている。我々は細胞表面のSOD(EC-SOD)活性の測定法を確立した。培養アストロサイトのEC-SOD活性は,LPS濃度依存的に半減した(24時間後)。一方,細胞内SOD活性はLPS濃度依存的に上昇していた。SOD mRNA発現程度については,LPS刺激によりMn-SODは上昇し,Cu/Zn-SODとEC-SODはLPS濃度に関係なく一定であった。また,LPS刺激24時間後の培養上清中のSOD活性を測定したところ,LPS濃度依存的に上昇していた。これらの結果はEC-SODが細胞表面から遊離することを示唆している。アストロサイトは抗酸化物質の放出や取り込みだけではなく,EC-SODの局在を変化させることにより脳内活性酸素レベルを調節し,周囲のニューロンを保護する働きをしている可能性が考えられる。細胞活性化に伴うこれらの細胞機能変化は,中枢神経疾患の病態や活性酸素による情報伝達の調節に深く関わっている可能性が高い。
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